私は、若いころにこんな経験をしたことがあります。人間関係や恋愛など、たくさん悩みがあったのですね。あるとき、「牛乳を飲めば気分が落ち着く」という話を聞いたのです。
どうやら牛乳に含まれるカルシウムなどの作用らしく、「モノは試し」と、やってみました。たしかに牛乳を飲むと、ざわめいていた気持ちが静まる感じになりました。
「これはいいかもしれない」と思った。ところが、あまり長続きしなかったのです。
ある程度効果は感じたのですが、続かなかった。なぜでしょうか?
無理をしても、続かない

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そこには深遠な理由があったのです。すいません。「深遠」というのは冗談です。
単に私は、牛乳が苦手だったのです。それだけの理由。
小学校のころは毎日給食で牛乳が出ていましたが、本当に苦痛な時間でした。楽しいはずの昼食時間が、毎日重荷を感じる時間だったのです。
それくらい牛乳が苦手だったので、いくら効果を感じても続けるのは不可能だったのです。
パスタは大好きですが、いまでもカルボナーラは食べることができません。そんな僕が、毎日牛乳を続けることなど、とうてい無理。
そもそも牛乳が体に合わない人もいますからね。でも、こういうことってありますよね。いや、牛乳の話ではありませんよ。
「続けようと思ってもできないこと」です。あなたにはないでしょうか?
人間関係でも同じこと?
たとえば、早起きをしようとして三日坊主でおわるとか。
睡眠が足りているなら、早起きは可能でしょう。しかし、毎日寝る時間が遅い人が、他人より早く起きることなどできるでしょうか?
「早寝早起き」はできても、「遅寝早起き」は無理。考えてみれば当然ですよね。しかし自分を無理強いすると、結果ばかりを求めて、肝心の「原因」について考えなくなることがあります。
恋愛関係で、恋人と仲が悪くなったとしましょう。
まずは、なぜ悪くなったのかを考えますよね?しかしそれよりも、「早く関係をもとに戻さなければならない」という意識の方が強くなることがあります。
そこで、相手の気持ちを察する余裕がなくなり、余計に状況が悪化するケースもあるのです。
人間関係でもそうです。職場の先輩と関係が悪くなったとしましょう。
相手は先輩ですし、「早く仲直りしないとマズイ」と考えます。
そこで、たくさん話しかけて仲を改善しようとするのですが、相手にその気はありません。絡もうとしたことで、ますます感情がこんがらがってしまうこともあります。
もし自分が誤解されているなら、説明をすることは必要でしょう。しかし相手に聞く耳がなければ、どうしようもありません。
改善しようとしてうまくいかないのなら、逆に距離を置くことが得策。
仕事に支障が出ても、それは仕方がありません。相手がシャットアウトしているなら、自分もあまり関わろうとしない方がいい。
無理に心を開かせようとすると、さらに拒否したくなるのは、相手も自分も同じです。
感情がこんがらがっている場合は、距離を置くことで感情の糸が少しずつ解けていくことがあります。
ほどけない場合もあるかもしれませんが、それは相性が悪いと思って諦めるしかない。でも多くの場合、適度に距離を取れば感情のわだかまりは和らいでくるものです。