「カレは常時3人以上いないとダメ。カメラだって、片手より、両手より、三脚にセットしてこそ安定するでしょ?」
20代のころ、そんな“三脚理論”なる独自の恋愛理論を打ち出していたのは、by them編集部Hの友人・ミキ(仮名)。
そんな彼女も、31歳で結婚。いまや夫とふたりの子どもとともに都内のタワマンで暮らし、すっかりいい妻・いいママになっている様子。
しかし、ひさしぶりに会った彼女からは「あのころの私をひっぱたいてやりたい…」という言葉が飛び出したのです。今回は、あのころの話といまの暮らし、その価値観を、タワマン高層階のゲストルームで聞かせてもらいました。
- ミキ
- 港区のタワマンに住む37歳の主婦。恋愛体質だった20代を経て、31歳で結婚。いまでは家族を愛し、家族に尽くす2児の母。
- 編集H
- ミキとは大学時代からの友人。20代のころ、夜な夜なミキの恋バナを聞いていた。
親友にカレを寝取られて、変化した恋愛観

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編集H:このまえ、「あのころの私をひっぱたいてやりたい」っていってたけど、どういうこと?
ミキ:うーん、相手はもちろん、自分のことも大事にしてなかったなって。昔のことを思い出すと、ものすごく恥ずかしくなるんだよね…。
編集H:そう?すごく楽しそうだったけど。
ミキ:楽しかった…のかな。ずっと苦しかった記憶しかないよ。
編集H:苦しかった?
ミキ:誰かが隣にいないと不安というか。どうせみんな私から離れていくんだって思ってて。誰といても、ずっとひとりぽっちな気分だった。人の心が無常だってことが受け入れられなかったんだよね。多分、あの失恋がきっかけなんだけど…。
編集H:あの失恋って?
ミキ:Hにも話さなかったかな?私、中学、高校のときにすっごく好きな先輩がいて。中学生のときに2回フラれたんだけど、高校2年のときにようやく付き合えたの。大学2年の夏に別れるまで、ずっとその人一筋だった。
編集H:思い出した!あのイケメンの彼でしょ、水嶋ヒロ似の。
ミキ:そう。その別れのきっかけが、親友だと思っていた人からの“裏切り”だったんだよね。
編集H:うん。あのときは随分と荒れてたね…。
ミキ:そうだよ!だって、その元親友は中高時代から仲がよくて、私が彼をずっと想い続けてきたことを全部知ったうえで…寝取ったんだよ。
編集H:それは…いま聞いてもしんどいね。
ミキ:極めつきに吐かれたセリフが、「ミキはずっと先輩のこと好きだったもんね」。あのあざ笑う顔は一生忘れられないと思う。友だちも彼氏も、もう誰も信用できない、信用しちゃダメだって思った。
編集H:そうなる気持ちもわからなくはないよ。そこからミキの三脚生活がスタートしたんだっけ?