真夜中のふたり
当日、Aさんは無事に彼に会い、避けられることもなく、いままで通りの雰囲気で会うことができた。しかし、この時点で、前回に会ってから実に7カ月も経っていました。
周囲からの気づかいもあり、パーティ後は彼を含む4人でバーへ。終電を逃し、帰る際は彼とふたりになれたそうです。タクシーのなかで、Aさんは勇気を出して彼の手を握り、そしてそのままふたりで降車。夜の商店街を歩きながら、彼の家に向かいました。
しかし、飲みすぎで座り込んだ彼を気づかっているうちに、始発列車が走り始め、Aさんはそのまま帰宅しました。
ついに、勝負をかける
会えば必ず良い雰囲気になるのが、これまでのふたり。だったら、このタイミングでもう1度、Aさんのきもちを前向きに伝えるべき。
これまでAさんは、「結婚したいきもちはなく、そばにいるだけでいい」「ご飯&飲み友達くらいに思ってくれたら、それでいい」「2カ月に1回程度会えたら、それでいい」と、徹底的に都合のいい女で十分という内容を伝えてきていました。
そうした上で、「ふたりでは会えない」といわれたのですが、それ以降にも3回も会えていて、しかも3回とも良い雰囲気になっていた。体の関係もありました。「そういった事実があるから、もう受け入れてよ」と勝負をかけたのです。
このころ、お酒好きの彼が喜びそうなビールのイベントがあったので、Aさんはお中元のビールにチケットと手紙を添えて送りました。しかし、彼からチケットが送り返されてしまいました。
チケットにはビールのお礼のお菓子と、「自分には好きな女性がいるから頑張りたい。だからAさんのきもちは受け入れられないし、ふたりでは会えない」といった内容の手紙が添えられていたのです。
このときのAさんの落ち込みようは、想像できると思います。でも、冷静に考えたら、これまでと何も状況は変わっていなかったのです。