そこまでいう彼の心理は?
これまでにも何度も同じようなことがありました。ほかの歯ブラシがあったり、冷蔵庫に誰かが作った料理の残りが入っていたり、クローゼットの中に「女性の備品セット」が隠されていたり…何度も何度も証拠が出てきていたんです。これらはすべて、上手にスルーしていたのになぜ今更そこまでいうのか。
これ、答えが2つあると思います。まずひとつめ。たとえば私だったら「両親に誓って」など大げさな表現は使わないです。というよりも、「そういう」表現を口にしたことがないのです。
しかし、彼にとっては「普通に使う言葉」なのだと思います。普通に使うというのはいい過ぎかもしれませんが、私が49年間1度も口にしたことがない言葉を、彼は使っているという点から考えて、彼にとっては「使う言葉」だということです。
つまり、私たちにとっては「そこまでいうの?」という表現でも、彼にとっては、一般的な「絶対違うからね」「絶対していないからね」という言葉と大差はないのでは…と。
また、このお話は「2股を隠すか、隠さないか」という話から始まっています。そして、彼は「隠すタイプ」だということでした。「隠す」のであれば、中途半端に隠すよりも100%隠す方がよい。これは正しい考え方です。
ならば、「絶対していないからね」というよくある表現よりも、「両親に誓ってしていない」という彼独自の思想が出る表現の方が正しいだろう、となるわけです。
というわけで、私たちにとっては「そこまでいうの?」という言葉だけど、彼にとっては、別に「そこまでいう」というほどの言葉ではないのだろう、という答えがひとつ。
あともうひとつは、以前より「Sさんのポジションが上がったのではないか」と感じました。より一生懸命隠そうとしている=「彼女だという無意識の認識が強まっている」ということです。
彼はこれまで知人に、Sさんのことを「お友達のSさんです」と紹介していました。これにSさんは何度も落ち込んでいたのですが、これが昇格したということです。だから、とっさに一生懸命フォローしたのではないでしょうか。
ビジョンが見えない理由
Sさんは、「私には将来の姿が映像としてイメージできない」と悩んでいました。ビジョンが見えないのは、まだまだ先が遠すぎるからでしょうか。
いいえ、道がズレているから見えないのです。頑張りがズレている場合、その先にはゴールがありません。
たとえば、私がアメリカ大統領になるビジョンが見えるかというと、まったく見えません。これは、私がアメリカ大統領になるための道筋に乗っていないからです。
でも、私がまたTVに出る姿がビジョンとして見えるかというと、これは見えます。やっていることがTVに出るような道筋として、ありえることだからです。
Sさんのビジョンが見えないのは、まだ道に乗っていないから。Sさんはこの1年半、まだまだ変われていないのです。道に乗るためには、「道に乗る資格」をもつ。そういった自分になるための「体質改善」が、とても大事になるのです。