「人に聞く」って、意外と難しい。「こんなことを聞いて、馬鹿にされないか」とか、心配になることもあります。とくに目上の人に質問するのは、結構勇気がいる。
私は、怖い先輩に話しかけようかどうしようか迷って、モゾモゾしながら先輩の顔を見つめていると「俺になんか用か」と怖い目で睨まれた経験もあります。学生さんであれば、先生に質問するのが苦手な人もいるでしょう。あなたはいかがでしょうか。
「できない」が「できる」になる瞬間

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私は昔から、人にものを聞くことが苦手です。学生時代は、先生と気軽に話すことができませんでした。あるとき、授業の内容で先生にどうしても聞きたいことがありました。でも勇気が出ない。その先生とはいままで話したことがなかったからです。教師なので、生徒に質問されたら嫌がらずに答えてくれるとは思うのです。それはわかっていても、どうしても踏ん切りがつかず、諦めていました。
ところが私の友人が、その先生に質問している場面を目撃しました。「(あいつはためらいなく質問している…)」すると、心の足かせが取れたのです。質問をする友人の姿を見て「(なんだ、あの先生に質問することは別にたいしたことではないんだ)」と思った。質問することが苦手な私でも、その後は難なくその先生に聞くことができるようになりました。
私は自分で「できない」と思っていた。ところが、他人が簡単にそれをしているのを見て、自分でも「できる」と思ったのです。自分の気持ちが変わったことで、「できない」が「できる」に変わったわけです。なぜ変わったかといえば、誰かがしたから。「なんだ、簡単にできるんだ」と思ったからなのです。それが、できないという心のハードルを取り払いました。
実はできることをできないと思っていることは、想像以上に多い。過去の失敗を思い出したり、自分に自信がなかったりすると、何もかもできないと思ってしまうことがあります。
なのでいっそのこと、あなたにとって「もっとも難しいと思うこと」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ちょっとした刺激策ですが、予想外の発見があるでしょう。取り組んでみると、前は怖いと思っていたことも、意外にそんなことはないと気づくもの。
成功すればもちろん嬉しいですし、たとえ失敗しても大きな意味があります。なぜなら、失敗を通じて多くのことを学べるからです。何もしなければ何も学べませんが、何かすれば多くのことが学べます。その学びが、未来の自分に役立つはずです。
そもそも失敗は大したことではない
私がここで書きたいのは、チャレンジ精神の話というよりも、もっと根本的なこと。「失敗ばかりしてるから、これ以上情けない自分を痛感するのは嫌だ」と考える人もいるでしょう。でもそれこそが、心の足かせになっています。
その考え方そのものが、傷つくことの多い日常の原因です。「実は失敗など大したことではないんだ」と考え方を変えれば、もはや傷つくこともなくなります。心にたくましさが芽生えるからです。
たとえば、恋愛でもあります。恋愛に悩んでばかりいる人ほど、恋愛がうまくいかないものです。「恋愛がうまくいかないから、恋愛に悩んでいるんだ」と思うかもしれませんが、実は逆。あまりに恋愛を意識しすぎることが、うまくいかない原因です。
なぜなら、そこで悩みが膨れ上がるため、正しい判断ができなくなるからです。こういった人は、いったん恋愛から離れてみることが大切です。「これさえ手に入れば幸せになれるんだ」と思っているほど、それは手に入りにくくなります。しかし、その気持ちが薄れていくと、かえって手に入ったりします。なぜでしょうか。