大学生になったころ。初めてネイルサロンに行き、ジェルネイルをしてもらいました。自分の好きな色に、自分の好きなデザイン。「指先が可愛い」というだけで、それはもう心が踊ったことを覚えています。
学生が月に1度通うにはまぁまぁ高い値段でも、当時交際していた彼に「何もしない方がいい」といわれても、私は私のかわいいのためにネイルサロンに通い続けた。自分自身のモチベーションをあげる糧にしていたのです。
きっと、私と同じような方もたくさんいるでしょう。実際「派手な装飾はできないけど、ささやかな楽しみとして毎月通っている」というママもいるし、「デートの前にネイル変えてくる!」なんていう友人もいる。
「ネイルサロンに通うことを生きがいにしている」というおばあちゃんをニュースで見かけたときは、ひどく感動しました。私たちのなかで、これほどまでに大きな存在となった「ジェルネイル」。しかしいま、ジェルネイルをめぐって、問題が起きているそうです。
ジェルネイルが医療現場の負担に?
問題になっているのは、新型コロナウイルスで多忙を極めている医療現場。ファッション・ビューティジャーナリストの松田アヤノさんが、以下のコメントを寄せています。
ジェルネイルやマニキュアをしていると、パルスオキシメーターで酸素飽和度を正確に測ることができないんです。
(省略)ジェルやマニキュアの中には、金属系顔料を使用しているものも多くありますし、特にデコレーションやラメなどにも金属が含まれているものが多いので、誤作動してしまうんです。
「パルスオキシメーター」は酸素飽和度を測る装置であり、ジェルネイルやマニキュアをしていることで感知が弱まり、酸素飽和度を正確に測ることができないというのです。
そしてジェルやマニキュア、デコレーション、ラメのなかには、金属や金属系顔料が含まれているものが多く、誤作動してしまう可能性もあるといいます。そのため、看護師さんたちがネイルを外すために手間や時間をかけなければならないケースがあるそうです。
もし自分が、その場にいる患者さんが一刻を争う状況だったら…と考えるとおそろしいですよね。医療現場の負担を少しでも軽減するためにも、体調不良で病院を受診する際には、ジェルやマニキュアをオフしてから行きたいもの。
しかし、マニキュアならまだしも「ジェルネイルのオフの仕方はわからないという人も多いと思います。そこで今回は、東京都内でネイリストをしているMさんにZOOM取材でその方法を聞いてきました。