『私がいてもいなくても』
私が大学生くらいのとき。いくえみ綾さんの漫画のタイトルを見て、ドキッとしたのを覚えています。「えっ、私のこと?」って。漫画を読んだ後も、内容はもちろんこのタイトルが心に残りました。
私がいてもいなくても、彼にはどうでもいいんだろうな。私がいてもいなくても、友だちの〇〇ちゃんには大して影響ないんだろうな。私がいてもいなくても、親は困らないだろうな。私がいてもいなくても、仕事は回るんだろうな。
…その後、折に触れてこのセリフは使われることになります。あなたにも心当たりがありますか?この感覚、心理学的な名前を付けると「無価値感」とよばれます。
読んで字のごとく、自分に価値を感じられない感覚ですね。これ自体、強い自己否定なのでしんどいわけなんですが、さらに恋愛にも影響があるので、きょうはそんなお話をしていきます。
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その1.愛を受け取れない

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「私には価値がありません!」と銘打っているわけなので、彼や周りからの愛を受け取れません。だって、それでは自分に価値が出てきてしまうから。
なので、表面では「愛されたいのに愛されない」とか「どうでもいい人には好かれるのに好きな人には好かれない」とか、「あれはお世辞に違いない」とか、さまざまな理由を並べて、一生懸命愛を受け取らないようにします。
ポイントは愛が「ない」んじゃなくて、「受け取れてない」というところ。なので、外に解決を求めても同じ問題を繰り返してしまいます。
付き合い始めはいいけど、いつもレスになっちゃう。物足りなくなって、つい他の人に目移りしてしまう。自分のことを好きじゃなさそうな人ばかり好きになっちゃう。「次こそは!」と思うけど、つい2番手の恋を選んでしまう。
恋愛だけではありません。仲良しグループで、1人浮いている気がする。会社のみんなはうまくやっているけど、自分は居場所がない感じがする。家族とは仲いいけど、ここにいてはいけない感覚がある。これらも、無価値感のなせる技。
愛を受け取れないと、自分が苦しいだけでなく相手も傷つけてしまいます。「可愛いね」と伝えているのに、「そんなことないよ」と拒絶される。それはきっと悲しいことでしょう。パートナーシップを深めたいんだったら、「愛を受け取る」意識を持っておきたいですよね。