実は私、昔明らかに恋愛依存症でした。相手の気持ちや立場なんて考えないくせに、相手がいないと寝られない日々が続いたり、それを相手に訴えてどれだけ思っているかわかってもらおうとしたり…。
自分が相手にとって心地よい言動なんて取れず、デリカシーのないことばかりいうくせに相手には優しさを求めたり、尽くしてもらう。
そんなことで「私は愛されている」という安心感を得ようとしたり、相手への自分の執着を抑えるためにわざとどうでもいい人と仲良くなって一時的にしのごうとしたりしたこともあります。
そんなことをしていると、当時バイト先で仲よくしていた女の子にどんどん引き離されて、自分のダメな状況があらわになるのです。
でも、自分を変えることができなくて、「ただ恋愛相手に自分の愛を伝え続ければ幸せになる日がくる」と思っていました。
なんで恋愛って辛いんだろう
恋人はできるのですよ。次々に、といっていいくらい。でも続かないのです。しかもいつも辛いのです。
最初に書いたような状態が続くし、自分が尽くせば尽くすほど相手がほかの人を見ることもあれば、ケンカが絶えず別れに発展する。それでも持ち前の執着心で、1人当たり平均1年弱は何とか持たせていました。
「恋愛ってなんでこんなにも努力ありきなんだろう」「なんでお友達はずっと幸せが続いているのだろう」「いつになったら努力は報われるのだろう」そんなことがずっと頭のなかをぐるぐるしていました。
私を救った目線
そんなとき、どこで目にしたのか耳にしたのか忘れましたが、私を救った話があります。「男は女の頑張った手料理を振舞われるのが嫌い」という話です。
おっと!そうなの?え!マジで?自分のいいところを見せたいから何時間もかけて煮込んだ料理をふるまったり、何品も作ったり…ときにはお弁当をまあまあ離れたところにいた彼に届けられないかと試したりしていました。
もちろん手料理を喜ぶ人は沢山いるし、作ってあげても問題ないほうが多いでしょう。私もお付き合いしている人にご飯作ってもらうの、すごく好きです。だからこの話は、おそらく「男は女の手料理が嫌い」ということはないのです。
1番重要なのは、「頑張ったものを振舞われるのが嫌い」というところです。理由として挙げられていたのは、「そこまで頑張ってもらったらまず美味しいといわなきゃいけないのがイヤ」「作っている過程まで側に居させられるのが苦痛。待っている時間が長いほどどれだけ凄いものが出てくるのだろうと思ってしまう。ただの家庭料理程度という時点で、ハードルが上がりすぎている割にはおいしくないと感じる」。
つまり「おもてなしをされているようで、実際は自分がおもてなしをしないといけないということがあらかじめ義務づけられているイベント」だからだったと記憶しています。