増えている「デートDV」
数年前から増えているといわれているのが、「デートDV」。デートDVとは、今回問題になった道渕氏のように結婚前のカップル間で起きる暴力のこと。
「好きだけど、いっしょにいるのがつらい」と感じているかたは、気づかない間に恋人からDVを受けている可能性もあります。たとえば、
- 「別れるなら死ぬ」とおどす
- 異性の連絡先を消すよう強要する
- 服装や髪型などに文句をいう
- 着信履歴やLINEをチェックする
- いつもおごらされる
上記の行動も、DVにあたる可能性があります。暴力を愛情と勘違いして受け取ってしまっている場合もあるかもしれません。でも、「好きだから我慢する」「別れたくないからいいなりになる」「つらいけど愛してくれているから…」なんて、本当はおかしいですよね。
恋人とは対等であるべきだし、お互いを大切に思いやるべきです。どうか、自分を第一に、大切にしてあげてください。
もしDV被害に遭ったら?
DV被害に遭っても、「相談するほどのことではないから」「私も直さないといけないところがあるし」「それ以外は良い人だから」と我慢してしまうこともあるでしょう。ですが、一番大切なのはあなた自身です。自分の身体や心の健康のために、まずは専門機関に相談しましょう。
どこに相談したらいいかわからないというかたは、「DV相談ナビ(0570-0-55210)」に電話してみてください。最寄りの相談機関の窓口に電話が自動転送され、適切な案内を受けられるはずです。
「電話は避けたい」というかたには、SNSのチャット、メール、Web面談でも対応してくれる「DV相談プラス(0120-279-889)」がいいでしょう。そのほかにも、婦人相談所や男女共同参画センター、児童相談所、福祉事務所などでも直接相談できますよ。
DV加害者にも救済を
現在、日本ではDV加害者に対して保護命令しかなく、これを違反した場合に初めて刑事罰の対象となります。この点の厳罰化も大切ですが、たとえ収監されたとしても、DV加害者は社会に戻ってきます。そのDV加害者が被害者へつきまとい、さらに心身ともにダメージを与えてしまう。また新たにパートナーを得てさらに被害者を増やすことも考えられるのです。
考え方・認知の歪みから起きるDVに対し、根本的な解決を行うには、加害者への心の支援も必要なのではないでしょうか。しかしながら、現在の日本はまだ公的な加害者プログラムの開発が進んでいません。
男女共同参画局の「被害者援助のためのDV加害者更生プログラム」(PDF)によると、欧米の加害者支援プログラムを受けた前後では、身体的暴力の発生頻度低下も報告されています。
被害者を第一に守ること、これは変わりません。しかし被害者の「暴力への恐怖」を取り除くためにも、また今後の被害者を増やさないためにも、加害者が責任の自覚を持てるようになる「加害者校正プログラム」が必要だと考えます。
現在は各NPO法人がグループワークなどで加害者支援をサポートしたり、DV治療の専門医院にて加害者のカウンセリングも行っています。暴力の連鎖を止めるためにも、どうか一歩、踏み出してみてください。