仕事も楽しくなってきた20代後半から30代に差しかかるころ、付き合っていた人との婚約破棄を経験。しばらく恋愛から遠ざかっていたけれど、昔の友人と再会し数年ぶりに人を好きになれた。しかし、それは道ならぬ恋だった。
今回ご紹介するのは、そんな彼女が35歳で不倫から卒業したお話。いま、苦しい恋をしている人のなかには、彼女に共感できる人もいるかもしれません。
久しぶりの恋
昌美さん(仮名)は筆者と付き合いも長い、誰がどうみても美人な自慢の友人で、男女問わず好かれる笑顔が素敵な女性だった。日々のルーティーンにしているランニングは怠らず、引き締まったボディを維持し続ける真面目で努力家の彼女は、現在アパレル企業勤務。
彼女の恋愛話は会うたびに聞いているので、歴代の恋はすべて知っている。20代後半で、6年ほど付き合っていた彼とまさかの婚約破棄をしてからというもの、彼女は恋愛と距離を置いていたように見えた。
婚約破棄の経験云々の前に彼女は、「もともと私はあまり人を好きになりにくいみたい」とよくいっていた。美人で明るい性格なので、当然よくモテていたけれど、なびく相手はなかなか現れず…。
いまから2年ほど前、そんな彼女にいつも通り「最近どう?」と聞いたときに、「久しぶりに人を好きになった」と頬を赤らめながら報告された。
「好きな人がいる」という幸せ
「よかったね〜!どんな人?」
「もともと何年も友人関係にあった人で、昔は多分お互い意識してたんだけど、双方に付き合ってる相手もいたから男女関係はなかったんだ。久しぶりに会ったら、やっぱり気が合うなってとこからふたりで会うようになって…なんとなく始まっちゃった。でもね。あまりいえることではないから、ほとんどの人には話してないんだけど…実は彼は既婚者なんだよね」
長年の友人のため、彼女は筆者がどんな話にも驚かないタチなのも知っているし、独身ということもあり話してくれたようだった。
筆者自身、恋愛はどんな形であれ当人同士のことなので、基本的に他人の不倫がいいとか悪いとかの概念を持っていない。
「まあ、あなたが幸せなら友達としてはいいけど。どうなりたいとかどういう関係性でいたいのかとか、そういうのを考えてたりするかどうかはちょっと気になるかな」
「正直いまは、誰かと結婚したいなんて思ってないのもあるし、向こうには小さいお子さんもいるから家庭を捨てて私と一緒になってほしいとかは思っていないんだよね。そっちよりも、私は自分で『まだ人を好きになれたんだ!』ていうことがうれしくて。彼といるとそれを感じられるから、それだけで十分なんだ」
そう、彼女から返ってきた。