子育て中のママにとって、悩みや情報を共有できる「ママ友」は大切な存在だ。しかしそのコミュニティの中では、さまざまな噂話が生まれ、誤解やトラブルに発展しがちだったりする。
今回は筆者が友人たちに聞いた「不倫」にまつわる“ママ友事件簿”をふたつ紹介しよう。
最初のエピソードは、数年前に筆者の友人ジュリ(仮名)の子どもが通う幼稚園で起きた、「先生と保護者の不倫」によって身に覚えのない容疑をかけられたママのお話。
降って湧いた不倫の噂

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その幼稚園は音楽教育に力を入れており、子どもの教育に熱心な保護者が比較的多いことで知られている。特に音楽に関しては、プロとして業界で活躍されている保護者もチラホラいて、そのような家庭のお子さんは、天性のものなのか、整った環境下で育っているからなのか、幼くとも優れたスキルを発揮する子もいる。
ジュリがその園に子どもを通わせたのは、「自宅から一番近い園だったから」という理由だったので、ほかの保護者とは音楽教育にかける温度差があった。「付かず離れず、“ほどよい距離感”で付き合うことを意識していた」とジュリは振り返る。ほかのママたちの価値観に感化され、本来持たなくてもよい焦燥感に駆られてしまうことを避けたかったからだ。
子どもを迎えに行った後、近くの公園でしばらく遊ばせてから帰宅するのがジュリ親子の日課だったが、そこで同じ園のママと遭遇し、会話をすることはたびたびあった。
ある日、公園内で繰り広げられていたママたちの噂話から、「同じクラスのママ・アユミ(仮名)が、非常勤講師のミツル(仮名)と不倫をし、ミツルが解雇になった」という話を聞いた。
ジュリ:「音楽に親しんでくれたらいいなくらいに考えていた私は、主に課外クラブを担当していたミツル先生のことはよく知らないんだけど、20代半ばの若く爽やかな先生だという印象。一方のアユミさんは、キレイな方ではあるけれど40代前半くらいかな。まずふたりの年齢のギャップに驚いちゃって…。でも見た目で判断するのはよくないけれど、ちょっと派手な雰囲気の彼女だったらやりそうかな…って思う部分もあったかな」
アユミの息子がミツルの担当するクラブに入っていたことはそのとき初めて知ったが、その息子の性格を考えると、自ら「やりたい」と言って入ったのではないだろうと思え、それがまた噂をもっともらしく感じさせていたという。
ジュリ:「悪い噂が広まるのは早いって、その通り。先生と保護者の不倫というセンセーショナルな話題だからか、この噂はみるみるうちに広まり、同学年のママのみならず、下の学年のママや卒園児ママから『聞いた〜?アユミさんとミツル先生…』と話題を振られるようになるまでに1ヶ月もかからかなったよ。
ママ会で『旦那と離婚したい〜』っていってたとか、街でふたりが寄り添って歩いているのを見た人がいるとか、子どもも連れて一緒にディズニーランドに行っていたらしいとか、関連する話もいくつか聞いた。
でも、アユミさんは変わらずお子さんを園に通わせていて。ツラの皮が厚いという意味で、“スゴイな”って思ってた。いま思うと申し訳ないんだけどね…」