おわりに…
ここまでRさんの苦しい胸の内を紹介してきましたが、不倫という溝を完全に埋めることは難しいので、夫婦の関係を原状回復するのは難しいでしょう。
それでも「子どもが小さい」「両親に反対された」「経済的に不安」「気持ちの整理がつかない」など別の理由で思いとどまるケースも存在します。
夫の不倫に対して妻は嫌悪感を抱きますが、嫌悪感だけで離婚を決断するわけではありません。なぜなら、何年(何十年)もの間かけて築いた信頼関係は嫌悪感だけでご破算になるほど軟ではないから。それでも妻が離婚を決断するのは「不信感」が積み重なった場合です。
たとえば、夫が「相談に乗ってもらっていただけ」「仕事上の付き合いだけ」「1対1で会ったことはない」「一線を超えていない」「もう連絡をとらない」など言い訳をしたとします。
しかし、実際には夫は仕事以外の用件で彼女と会っているのなら単なる相談相手ではありません。しかも、彼女の家やホテル、車内などで2人きりで過ごしていたら、夫が並べ立てたいいわけは真っ赤な嘘だったとわかります。
夫婦の間に起こる問題は不倫だけではありません。問題が起こるたびに妻は夫に対して「嘘をついているのでは」「隠し事があるのでは」「約束を守ってくれるだろうか」などと疑わざるを得ませんが、これでは夫婦関係を修復するところか、亀裂は広がるばかりで、どんどん悪化していきます。
つまり、不倫はあくまできっかけに過ぎず、離婚が決定的になる原因は「嘘」です。バレるような嘘をつくか、下手の嘘をつくくらいなら白状するか…それが離婚するか否かの境目になるのです。
- image by:Shutterstock
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。