あの3年間で、失ったもの
圭吾の投稿にはいくつかのコメントがついていた。そのなかには、交際当時にとてもなかよくしてくれていた圭吾の親友からのコメントもあった。
「ふたりが結婚してくれてほんまに嬉しいわ、新居遊びに行くからな!」
私と圭吾が付き合っていたときは「ふたりが結婚するときは、俺が証人にサインするから!」といつもいっていたのに。別れることになったと打ち明けたとき、「なんでだよ」って泣いてくれたのに。
圭吾と付き合っていたころにできた友人は、別れた瞬間に私の前から姿を消した。その親友だってそう。「今度またみんなで飲もうぜ」なんていっていたくせに、別れた次の日からもう連絡はこなくなった。
圭吾を通して知り合った女友達だって、いまじゃなんの連絡も取り合っていない。プリクラだって撮ったし、朝まで飲み明かしたこともある。圭吾と大げんかしたときは一緒に仲直りの方法を考えてくれたし「たとえ別れてもずっと味方だから!」なんていってくれたのに。すべては「圭吾がいたから」だった。圭吾がいないいまの私には、何も残っていない。
私はたくさんの友達を失ったのに、どうして圭吾ばっかり幸せになるの?私は、あなたをお祝いする人の輪のなかにすら入れてもらえないの?
「圭吾ほんと幸せになれよ」
「めっちゃいい式だった〜!お幸せに!」
「感動した、あとで写真送るからな!」
あの子もこの子もみんな、圭吾の大事な人なんだろう。でも私は違う。
みんな、私と圭吾のことお似合いだっていってくれてたじゃない。誰かこの結婚式で私を思い出した人はいないの?