モラハラ・DVを「夫婦で乗り越える」方法
どうすればモラハラ、DVがなくなるのだろう?私は知人の言う通り、勇気をもって本音をきくことが大事だと思い始めました。
まずは、夫が尊敬してやまない夫の両親に相談することに。夫の両親は、ことの深刻さを感じたのか、快く応じてくれました。
家族会議の決戦の日に備えて、私はいままで夫から受けたモラルハラスメント、ドメスティックバイオレンスの証拠を集め始めました。いつごろからどんなことが家庭で起こり、どんな暴力を受けたのか。その証拠がなければ話は始まらないからです。
心と精神のバランスを崩し、通っていたメンタルクリニックでは、受けた暴力のあざを写真で残してくれていた先生がいたので、その証拠写真をクリニックから取り寄せました(この方法は万が一離婚するときに、家庭裁判所で親権を取るときに有利に働くので要チェック)。
あとは弁護士。お金は夫婦共同口座だったので、だまって引き落とせません。パートで稼ぐわずかな月2、3万円のお金では到底弁護士は頼めなかったので、何かあったときのために市役所に相談しました。
すると、市役所は「法テラス」を紹介してくれました。まだまだ世間的にはあまり周知されていませんが、法テラスは夫婦間で暴力を受けており、資産が一定の基準以下の場合は、無料で弁護士を紹介してくれます(一定の基準を超える資産がある場合は相談料1件5,500円が発生します。詳細はこちらから)。
市役所では、家庭裁判所で争うときになった場合の準備をしました。その際に話し合いの途中で何か起きたときのシェルターも教えてくれたので、とても心強かったです、困っている人は、恥を捨てて市役所に相談してみてください。
とうとう、決戦の日。暴力をふるう男性は逆上すると何をするかわからない。話合いのセッティングは、夫には事前には話さず、夫の両親に夫の休日の早朝に訪ねてもらう、という法テラスの弁護士のアドバイスに従いました。
あらかじめ夫の両親に、これまでの経緯を説明。気持ちはもちろん穏やかではなかったし、何よりも勇気が要りましたが、あちらの両親も心配して駆けつけてくれることになりました。
そして夫の休日の早朝、朝玄関のインターホンが鳴りました。びっくりした夫でしたが、第三者がいるので暴れること、暴言などははきませんでした(これもモラハラやDV夫の特徴のひとつです)。
私が泣きながら、いままで受けた仕打ち、そして証拠写真を見せて、どんな思いで5年間もの間生活してきたか、どんなに苦しかったかなど「もうどうにでもなっていい」という思いでぶちまけました。
そして夫の両親から、説得をしてもらいました。夫の両親は幸いにも良心がある人たちで、私の味方についてくれたのです。すると、夫は本音をもらし始めました。
「子どもができて、2人を支えなきゃいけない。妊娠中からすごいプレッシャーだったんだ。妻は家で子どもをみているだけで経済的な助けはないし俺がお金のことは頑張るしかない。でも仕事もつらい。悩みは誰にも打ち上けられなかったし、それがモラルハラスメントやDVに繋がったんだと思う」
すかさず、私はあらかじめ用意した離婚届けを突き出し、「次にモラハラやDVがあったら離婚するからね」と念をおしました。
夫は、「いままで、本当にごめんね。そんなに苦しんでいたとは気がつかなかった。頼むから離婚はしないでほしい。もう二度と暴力はふるわないから。お前が本当に大切だよ。いままで傷つけてごめん」。
緊張感に包まれた家族会議はここで幕を閉じ、夫はその日から一切モラハラや暴言は吐かなくなりました。
5年間の地獄のような日々は、この日を堺に終わりを迎えました。その日の夜は、過去5年間のなかでも一番よく、深く眠りにつけたことを思い出します。