こんにちは。いえることからいえないことまで、大体のことは網羅してきた自称・変態ライターの関根です。
早いもので、2021年も夏まっさかりとなりました。みなさんは、夏と言えば何を思い浮かべますか?スイカ?海?花火?筆者は、「怖い話」です。
きょうは、普段仲よくしている友人から聞いた「ホテルでの恐怖体験」を3つご紹介します。夏にピッタリのゾクっとする体験を、どうぞ。
懺悔の叫び声

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これは、A子さんが20代のころに体験した話です。A子さんは当時付き合っていた彼とデート中に盛り上がってしまい、急遽ホテルに飛び込みました。
お互い働き始めたばかりで、お金もなかったため、格安料金の古い寂れたホテルを利用することにしました。部屋に入ったと同時に彼に唇を奪われ、そのまま壁にもたれかかった状態で行為が始まったそうです。
無我夢中で愛を確かめ合っていると、どこかから声が聞こえてきました。
“お許しください…お許しください…”
微かですが、たしかに聞こえてきます。絞り出すかのような懺悔の声は、次第に苦痛を伴うように大きくなっていきました。A子さんは途端に怖くなり、一時プレイを中断し、彼に伝えました。
「ねぇ、どこかから声が聞こえない?」
「え?…たしかに聞こえるかも」
“お許しください…お許しください…”
「こんな古いホテルだから何か事件があったり、取り憑かれているかもしれない…」この日はお盆が近かったこともあり、A子さんたちは恐怖で震え上がりました。
“お許しください…お許しください…”
ふたりの恐怖を煽るように、また懺悔の声が聞こえてきます。
“お許しください…お許しください…”
「幽霊だ…」
「そうかもしれない…どうしよう…」
「早く帰ろう、早く、早く!」
A子さんたちは恐怖のなか急いで服を纏い、荷物もまとめてドアへ向かいました。

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ガチャガチャガチャ!ガチャガチャガチャ!
何度ドアノブを回しても開きません。このホテルは、一度閉まったらフロントに電話をしなければ開かない仕様になっていました。いつもなら冷静に対応できたふたりも、恐怖で頭がまわりません。
「なんで開かないの!?早く開けてよ!」
「開かないんだよ!」
ガチャガチャガチャ!ガチャガチャガチャ!
“…さま、…さま、お許しください”
「なんで開かないんだよ!」
「もうやだ…早く帰りたい…」
次第にふたりは憔悴し、ドアの前に座り込みました。聞こえるのは、ふたりのヒューヒューという息遣いとあの懺悔の声。すると、彼が何かに気づきました。
「待って…あそこから聞こえる…」
声が聞こえる場所。それは、壁の向こう側でした。彼は声のほうに引き寄せられていきます。
「ちょっと待って!危ないよ!行かないで…!」
A子さんの忠告を聞かない彼が、壁に耳を近づけると…“女王さま、お許しください!もっとお願いします!”と叫び声が聞こえてきました。
そうです、声の正体は隣の部屋で楽しんでいた声だったのです。古びた格安ホテルであったため壁が薄く、隣の声が筒抜けとなっていたようでした。
ふたりは開いた口が塞がらず、呆然と隣のプレイを耳だけで堪能しました。だんだんバカらしくなってきて、隣のプレイが終了したと同時にA子さんたちのプレイも再開。もちろん、どんなプレイをしたかは言うまでもありません。