色気抜きカップルの照れくささの正体とは?

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まず、1つ目のケースに見られる「いまさら感」というのは、現在の自分たちのムードとセクシャルなムードというものが、もはや結びつかなくなっているということ。
日常家事を共にする家族として、おだやかで安心できる気楽さであったり、もしくは友達のような楽しいノリであったり、いずれにしても「色気抜き」の気分が定着しているために、「急にセクシーな気分になどなれない」「なろうとしても照れくさくて、お互いどんな顔をしたらいいのかわからない」という、まさにセカンドバージンのような声が男女共に聞こえてきます。
なかには夫のほうからレス解消前に、「もうしなくていいから、体外受精にしようよ」と言い出すケースもあるようです。
この照れくささの背景には、やはり世の中一般の性のイメージが、「エロくて刺激的で興奮するもの」というポルノ的表現に偏っていることが大きく影響しています。だから「自分はそんなふうに刺激的にふるまえない」と思うわけです。
つまり、性というものが、おだやかで当たり前の日常とは切り離された、「特別なセッティングを必要とする非日常的な事態」という思い込みに縛られているのですね。
本当のことを言うと、性の営みには必ずしもポルノ的な興奮や刺激は要りません。実は、おだやかで安心できる関係性になるほど、触れ合いから生まれるオキシトシンの作用がいっそう高まって、より深い性の喜びが味わえるようになるのです。
なのに、世間一般の「エロくて興奮する営み」というイメージに縛られて、「おだやかで安心感に満ちた交わり」を分かち合う機会から遠ざけられているのは、とてももったいないことではないでしょうか?
日常とセクシャルをグラデーションでつなぐテクニックとは?

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では、色気抜きでなかよくやっているふたりが、セクシャルな時間を取り戻すには、いったいどうしたらいいのでしょうか?
まず、「色気抜きの日常」と「非日常なセクシャル時間」というように頭のなかでパッキリ分けずに、この2つの間を「グラデーションでつないでいく」ように捉え直してみましょう。
具体的に言うと、日常のなかに意識的に「気持ちをこめて、相手に優しく触れる」仕草を取り入れていくのです。たとえば、
- 手をつなぐ
- そっと背中や腰に触れる
- 腕につかまる
- 肩にもたれる
- ゆっくりハグをする
- カーペット上のゴロ寝姿にどんな姿勢でもいいから寄り添う
など。安心できる相手だからこそ、リラックスしながらしっとり触れ合う時間をほんの10秒程度でも味わってみると、「なんだか気持ちがいい」と感じられる「官能の神経」が徐々に目覚めてきます。
すると、ふとした瞬間に、おだやかさの向こうにある「もっと近づきたい」「もっと深まりたい」という衝動が、自然な形で湧いてくることでしょう。
すでにリラックスした関係性を築けているふたりが、無理に「エロく興奮した状況」を作ろうとする必要はまったくありません。取って付けたような演出には気持ちがついていかずに、かえって白けてしまうことでしょう。
それより、いつもの日常のなかに、少しだけ手を伸ばして相手の体に触れる瞬間を1回でも多く作っていくことをおすすめします。
「日常がセクシャルになる」感覚がわかってくると、立ちはだかっていた心のハードルをごく自然に乗り越えられる日は間近です。