結婚はしているけれど、家のなかでは心の通うコミュニケーションを取らない。しかし外の世界では、仲のよさをアピールする。このように形だけ取り繕うのが、「仮面夫婦」です。
夫婦との接触が少ないうちはいつも仲むつまじいふたりに見えますが、愛情が薄いその関係性は、ふとした瞬間に顔を出します。違和感を覚えるあり方が見えたら、それが「本当のふたり」かもしれません。
きょうは仮面夫婦にはどんな特徴があるか、実際のケースをもとにご紹介します。
「エピソードがない」夫婦に違和感(37歳女性/会社員)

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「子どもが通う保育園で知り合ったお母さんがいるんですが、仮面夫婦なのでは?と思っています。
このかたは、いつも穏やかな様子で挨拶してくださって、子ども同士の仲がいいので、話す機会が多くて親しくなっていきました。
こちらの家庭のことなどあれこれ詮索してこないところも好きで、いい距離感でお付き合いしていると思います。
夫は会社員とのことで、『家事を嫌がらない』とか『休日は家族で公園に行く』とか…。我が家はワンオペ状態なので、羨ましいなと思いながら聞いていました。
結婚記念日の話題になり、私は夫がネックレスを買ってくれた話をしたときです。彼女は『うちはふたりで○○に食事に行ったかな』と笑顔で答えてくれたのですが、『あそこ、おいしいって有名だよね。記念日の人にはたしかデザートのサービスがあったよね?』と聞いたら慌てだして…。
『あ、気がつかなかったかも』と言うけど、『夫が予約してくれたお店』とさっき口にしていて、結婚記念日で選んだのならそんなサービスを知らないのはおかしいなと感じました。
そのときから注意して聞いていると、子どもに関する話は多いけど、夫婦に関してはエピソードがないことに気がつきました。夫の好物や着る服などは曖昧なことが多くて、距離を感じるというか…。
結婚記念日に食事に行った話も、嘘ではないと思うけれど食事の内容しか出てこないし、『本当はあまり仲がよくないのかも』と思ってからは、話題に出さないようにしています。
彼女が話す『家族思いのいい夫』のイメージがなかなかつかめなくて、こういうのも仮面夫婦というのかも、と思いました」(37歳女性/会社員)
本当に夫婦仲がいいのなら、記念日の人だけが受けられるサービスを無視するとは考えにくく、どこか「結婚記念日に食事をした」という形だけを残したように感じられます。
仮面夫婦でよくあるのは、親密さをアピールするけれど、詳しく聞いたら「するべきことを避けている」「知っているはずのことを把握していない」など、ふたりの間に距離があることです。
こちらのケースでは、「夫の下着についてどんなタイミングで買い換えるか、具体的に買いに行った話が出ない」など、“結婚記念日でレストランを予約してくれる夫を持つ妻”の像と結びつかない様子に違和感を覚えたそう。
加えて、「夫への細かい愚痴が少ない」ことも逆に身近な存在でないことがうかがえて、「実は夫と過ごす時間が少ないのでは」と感じます。
仲のよさを出してはくるけど、それを裏付けるエピソードがないのは、仮面夫婦あるあるといえます。