既婚者と、肉体関係を持つ。いわゆる「不貞行為」と呼ばれる不倫は、ある意味、法律でも“アウト”と定められており、バレてしまえば相手のパートナーから慰謝料の請求があったり、会社でネガティブな処分を受けたり、いいことは何もありません。
それでもこのような関係に足を踏み入れる人は少なくなく、そのきっかけや顛末(てんまつ)もさまざまです。
そこできょうは、不倫の実態にはどんなものがあるか、その渦中にいた人たちに話を聞き、実例を踏まえてご紹介します。
配偶者の目が届かないところで…(男性/39歳/セールス)

image by:Unsplash
「妻と子どもがいますが、独身の女性と不倫関係を続けています。出会ったのはジムで、何度も会っているうちに好意を持ち、僕からお茶に誘いました。
彼女が独身であることはほかのジム友から聞いており、『夫がいないなら遊ぶのも抵抗はないかも』と勝手に思っていたのは事実です。
ジムが終わってから食事に行くようになり、彼女も最初は『結婚しているんですよね?』と僕とふたりきりで過ごすことに戸惑っていましたが、警戒されないように下手に踏み込むことはせず、本当にご飯だけで済ませていたら、少しずつ信用してくれるようになりました。
タメ口で会話できるようになってから、結婚生活の話を聞きたがるのがちょっとストレスで、『実は嫁が浮気していて』と嘘をついたらすごく同情してくれました。そのときは、さすがに罪悪感がありましたが…。
でも、それから距離が近くなったというか、週末のランチも気軽にOKをくれるようになって。同情してくれた彼女の気持ちをもっと近づけたくて、『離婚について悩んでいる』とか『子どものことが気がかりで』とか、つい嘘を重ねてしまいました。
彼女とはじめてホテルに行ったのはそれから数週間後のことで、体を委ねてくれる彼女を見て『やっと手に入れた』と有頂天でしたね。
いまは週に一度会うくらいで、関係は安定しています。ただ、最近家を空ける時間が増えたので妻から浮気を怪しまれていて…。
LINEにパスワードをかけたりナビの履歴を消したりしていますが、気をつけようと思っています」(男性/39歳/セールス)
ジムや趣味のサークルなど自分だけが参加する場は配偶者の目がないため、のびのびと振る舞えます。
独身の人に好意を持つのはまだ仕方ないとしても、置くべき距離を忘れてふたりきりの時間を過ごすのは“バレないだろう”という油断からで、相手が応えてくれるのを見れば気持ちは加速する一方になります。
配偶者について簡単に嘘がつけるのも、それが暴かれる可能性が低いと“自分は”思っているからですが、もし真実が知れてしまえば相手を傷つけるだけでなく、人としての自分の評価も大きく下がるリスクに気がついていないようです。
配偶者の浮気や病気など、嘘で不倫相手の信用を得ようとする人は多いですが、後ろめたいことをしていればいずれ行動にもおかしな面が出てきます。
関係を続けるために後回しにされる配偶者は、「自分以外に深く関わっている人」を想像するのは止められないでしょう。
嘘で固めた不倫関係は、相手や配偶者を含め自分も窮屈にしていきます。その結果がどうなるか、不倫の証拠を掴まれたらいまの快楽を後悔する地獄が待っていることを、この男性はまだ知りません。