こんにちは。恋愛相談教室などで1万2000人以上のかたにアドバイスをしてきた、恋愛相談師マーチンです。
きょうは、結婚して1年目に夫の不倫が発覚したAさんの相談事例をもとにお話します。
夫の不倫が発覚

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結婚して1年目、なかよく暮らしていたある日。「なんか最近、携帯を肌身離さず持ってるよね…」と、妻がふと気になり、夫がいないときに携帯をチェックしました。すると、
昨日は楽しかったね!私のこと好きっていっといて、なんで結婚しちゃったの?今度は新宿のホテルに行きたいな!
こんなメッセージを発見。あなただったら、どうしますか?
はじめは許していたけれど…
Aさん:とりあえず、ほっといたんですよ。
マーチン:えっ!?
Aさん:まぁ、浮気くらいならいいかなって。ほっとけば、そのうち落ち着くかな…って思ったんです。
マーチン:そのうち落ち着くって…携帯を見たのはいつですか?
Aさん:もう、半年くらい前です。
Aさん:それに、浮気するってことは、私にも何か問題があるわけじゃないですか。だから、彼だけが悪いってわけじゃないと…。
マーチン:うーん、寛大ですね…。じゃあ、これまで“なかよくしてますよ”って言ってたのは、実は違ってたんですか?
Aさん:いえ、本当にそれはあまり気にしてなかったんです。家ではなかよくしてるし…。
マーチン:ふーん…。
Aさん:彼女のことも好きなんだろうけど、私のことも好きなはずだし。私も夫のことは好きですし…。
マーチン:なるほどね…。
Aさん:で、落ち着くかなって思ってたんですけど、もう目に余るようになってしまって…。
マーチン:何かあったの?
Aさん:この前の休日、私が風邪をひいてしまって寝込んでたんです。なのに…彼女とホテルに行ってるんですよ?さすがにひどくないですか?
マーチン:それはヒドイ。ほったらかしにして、遊びに行ってたの?
Aさん:いえ、夫はもともと仕事があったんです。で、その帰りにホテルに行ってたみたいで…。帰ってきたのは午前2時ごろでした。
Aさん:今度は旅行に行くみたいです。“温泉に行こうね”なんて、メッセージも見てしまって…。
マーチン:よく、これまで冷静にいられましたね。
Aさん:取り乱して話をして、意味のない仲直りとか、曖昧なことはしたくないので…。
マーチン:えらい。マーチン先生で言う、“感情の向こう側にある目標を見据えた行動”を取ってるんだ」
Aさん:どうしたらいいんでしょうね…。
「どうしたいのか」がわからない
このお話を聞いて一番印象的だったのは、Aさんの様子でした。これだけ冷静に落ち着いて現実をみつめて、「どうしたらいいか」を考えている人を見たのは、はじめてだったのです。
また、彼女の感情のコントロールといいますか、それにも感動しました。普通、こういうときは夫の相手のことを少なからず憎く思って、「その女と」とか、「浮気相手と」などと表現するものですが、「彼女」と表現していたことに驚いたのです。
よくも悪くも。これだけコントロールできるのは、すごいと思ったのです。
さて。このあと、僕は例によって「Aさんはどうしたいの?」と聞いてみました。しかし、「どうでしょうね…」と、その部分については答えが見つかっていなかったようでした。
マーチン:じゃあさ、僕だったらどうするか…を考えてみるよ。
Aさん:はい、ぜひ聞かせてください。
マーチン:僕だったら…。うーん、やっぱりまずは理想を追うな。一般論かもしれないけど、別れずにやり直すことをやってみるな。
Aさん:え?どうしてそれが理想なんですか?
この一言には、驚きました。この言葉が出るということは、Aさん。もう気持ちは決まっているということです。
マーチン:えっ?もう離婚する覚悟までしてるの?
Aさん:…。
マーチン:じゃあさ、今回のことをちゃんと話したとして。彼が“もう絶対しない”みたいに、本気で謝ってくれて誠意も感じたとして。それでも、ダメ?
Aさん:…信じられないと思います。
マーチン:うーん、そっかー…。
Aさん:いま、すごく自分がイヤなんです。夫が遅く帰ってくると、“きょうも彼女と会ってるのかな”って思っちゃって。本当に仕事かもしれないのに、そう思っちゃう自分がイヤで。
マーチン:でも、それは思うよね…。
Aさん:で、どうして、それが理想なんですか?
マーチン:ああ、それはね。一度は“この人とやっていきます!”って決心したわけじゃないですか? だから、簡単に諦めるんじゃなくて、やれるところまではやるべきかなって。
Aさん:そうですね、それは一理あります。でもな…。
マーチン:でも、“もう何カ月も頑張ったし…”なんでしょう?
Aさん:そうですね…。先生、私何が悪かったんでしょうか…?