不安的中、不倫の証拠に大ショック
そのあと、夫のスマホ画面に表示されたメッセージを、偶然目にしたEさんは愕然とすることに。それは知らない女性からの、いかにもラブラブという雰囲気のメッセージでした。
夫を問い詰めると、すでに1年半も不倫を続けていたことを告白。過去のさまざまな場面がフラッシュバックし、「あのときも『出張』と偽って、関係を重ねていたのか」と思うと激しい怒りが湧き、そのころの自分に対する冷たい態度を思い出すと、心が深く傷つきました。
それでも別れる気はない夫へ、覚悟の離婚宣言の効果
「そんな夫から触れられるのは、生理的に無理!」と痛感したEさんは離婚を持ちかけましたが、なんとご主人の答えは意外にも「離婚する気はない」。それに対するEさんの態度は、潔いものでした。
「一緒にいるのは辛すぎるから、とにかく別れたい。離婚手続きが成立するまでの間も別居したい」と告げました。
すると、驚くべきことが起こりました。なんとその翌日、ただちに夫は不倫相手に別れを告げて、有無を言わさず関係を断ったのです。これは、Eさんの女性としての聡明さの勝利でした。
もし、Eさんが「別れたくない」という夫の気持ちにほだされて、離婚を思いとどまってあげていたら、Eさんと不倫相手との板ばさみ状態がもっとズルズル長く続いていた可能性は高いと言えます。
なぜなら「不倫しても離婚されない」という意思表示をもらえたことで、夫が安心してしまうからです。
ところが、Eさんの態度は「絶対に許さない」という意思表示であったため、「自分にとって一番大切なもの」を失うわけにはいかないと、夫ははじめて必死になれたわけです。
つまりEさんが、ずっと自分の本心に目をつぶっていた夫の「目を覚まさせる」働きをしたということ。
不倫をしていた最中の夫が「別人のようだった」というのは、それが本心からの恋ではなく、「魔が刺した」状態だったことを意味しています。人は、自分らしさを捨てて生きているときには、「魔が差したような行動」を取りやすいのです。
つまり、思いがけずEさんは「夫にかけられた魔法を解いて、本来の道に引き戻す」ことに見事成功したのだと言えます。