縁があって結婚したふたりであっても、互いの努力がなければ、変わらない愛は紡げません。パートナーの浮気、DV、借金、レス、義実家問題…悩んだ末の「離婚」も、ひとつの解決手段となり得るのです。
今回、Webメディア「by them」は離婚経験者30名にアンケートを行い、経験者はどういった点で悩み、改善を試みて、離婚を選んだのか?さらに離婚後の心境についても伺いました。
体験談から浮かび上がる問題点を振り返ることで、いまパートナーとの関係を見直したい方も、改善点に気付けるかもしれません。
- 本記事は離婚を推奨するものではなく、あくまで身近な例として離婚事例を紹介するものです。
妻の夢を応援したかった。なぜ、私は「離婚」を選んだのか?
回答者プロフィール(すべて離婚当時)
- 年齢/職業:Aさん(夫)45歳・会社経営、妻45歳・医師
- 子どもの有無/実親・義理家族との同居:なし/なし
- 結婚年数/離婚時期:15年/2020年ごろ
- お住まい:仙台
まず、Aさんがパートナーとの結婚を決めた理由を教えてください。
友人からの紹介で、妻は当時すでに医師として忙しく働いていました。はつらつとしていて、楽しそうに熱意を持って仕事について話す魅力的な人だなと。
話を聞くと、拘束時間が長い仕事について恋人の理解が得られず、別れたばかりだそうで。私自身も独立したばかりで拘束時間も不安定だし、向こうの仕事についても理解できると思ったので「君の仕事を応援するよ!だから付き合って!」と、かなり熱烈にアタックしました。
離婚を切り出したのは、どちらからですか?
妻からです。うすうす「そうなるかもな」とは思っていたので、動揺はなく、ただただ悲しかったです。
離婚理由はなんですか?
ずっと言えなかったそうなんですが、地方の無医村にいって、医師として働ことが妻の長年の夢だったと。
「体力も気力もいる仕事だし、年齢もあって、挑戦するならもうこのタイミングしかない。あなたのことは愛してる。でも、お互い仕事第一の関係。ここで終わりにしよう」と冷静に言われました。
しばらく考えて…「もし仙台に戻ることがあったら、また私のもとに戻っておいでよ」といったら、妻は泣いていました。
思い返すと、妻とはここ何年か夫婦らしいことをしていませんでした。お互い仕事が忙しいことはわかっているから「別にいいだろう」と思ってたんですよね。
旅行とか食事とか、楽しいことも何もしなかったなと。15年一緒にいて、あまりにも思い出が少ない。もう少し、時間を作って寄り添えばよかった。妻の涙を見て、私も思わず泣いてしまいました。
離婚を考えてから、関係を改善しようと思ったことはありましたか?
私たち夫婦は子どももいませんし、両親も互いの兄弟が世話をしているので、別れたとしてもあまり影響はありません。
そして私は地元密着型の会社を経営していて、社員も抱えている身です。もっと会社を大きくしたいし、この地を離れることはできません。それに、妻が仕事にかける熱量と同じぐらい、仕事が好きです。
だから、関係の改善をしようとは思いませんでした。嫌いあった離婚ではなく、お互いの発展に備えて離婚しましたから。
いま住んでいる家も、もともと私たち夫婦が共同でローンを組んで購入し、すでに完済しています。
共有財産も多くはなかったので、地元に残る私が家を貰い、お金は妻に多く渡してあげることにしました。