浮気、DV、借金、レス、義実家問題…離婚を考える理由は人それぞれ。
Webメディア「by them」は離婚経験者30名にアンケートを行い、経験者はどういった点で悩み、改善を試みて、離婚を選んだのか?さらに離婚後の心境についても伺いました。
今回は、ある日突然夜遊びが増え、ハイブランド品を買うことが増えた妻に頭を抱えていた男性の離婚事例をご紹介します。
- 本記事は離婚を推奨するものではなく、あくまで身近な例として離婚事例を紹介するものです。
- 登場人物はすべて仮名です。
- アンケート内容をもとに一部ストーリーを作成しています。
突然夜遊びが増えた妻との離婚
回答者プロフィール(すべて離婚当時)
- 年齢/職業:俺(夫)41歳/会社員、夏美さん(妻)37歳/専業主婦
- 子どもの有無/実親・義理家族との同居:なし/なし
- 結婚年数/離婚時期:6年/2021年ごろ
- お住まい:関東エリア
愛する妻と幸せな家庭を築けると思っていた

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夏美はよく笑う。その笑顔に惚れて俺は彼女にプロポーズした。素直で強気、だけど子どもっぽいところがあってかわいい。そんなギャップが好きだったから。
彼女は、元看護師。結婚を機に仕事をやめ、専業主婦になった。
「すれ違いは離婚の原因になるから」と、彼女自身の意思で結婚してすぐに家庭に入ったのだ。俺の収入で十分に暮らしていけたから、俺はすんなり彼女の決断を受け入れた。
家に帰れば、夏美がおいしい料理を作って待っていてくれる。仕事でへとへとに疲れた俺にとって、こんなにうれしいことはなかった。
結婚してしばらくしたころ、人気の恋愛ドラマを見ていたら夏美が言った。
「愛し合って結婚したのに、どうして相手を裏切って不倫なんてするんだろう。そんなのおかしい、ひどい行為だよ」
不倫する主人公の女性に対して、明らかな嫌悪感を口にする。
「こういうのは本当に理解できない。チャンネル変えていい?旦那さんがかわいそうだよ」
バラエティ番組に切り替えた夏美は、なおも険しい顔でぶつぶつと文句を言う。そんな様子を見て、彼女と結婚して本当によかったと俺は思うのだった。
「俺は絶対そんなことしないよ」
「知ってる。私も絶対しないよ、約束ね?」
妻の変化

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夏美と結婚して4年経ったころ、俺は夏美に子育てについて話をした。お互い30代半ば。結婚したときには「子どもがほしいね」と話していたからだ。
「俺さ、そろそろ子どもがほしいなと思うんだけどどうかな」
「子どもねぇ」
「うん、お互いにいい年齢だし、女性は年齢を重ねるごとに身体への負担も増えるっていうから」
「いつ産んでも負担があるのに変わりはないと思うけど」
夕食の皿を洗いながら、俺は夏美を見る。ソファーに座ってアイスを食べながら、スマホをじっと見つめていた。
「いまはいらないかなぁ」
「そっか…」
自分が産むわけじゃない。だからこれ以上、子どもがほしいと相談することができなかった。
子どもを宿すのも、お腹のなかで育てるのも、命を懸けて出産するのも全部夏美だ。俺がいくら「子どもがほしい」と願ったところで、彼女の気持ちが向かないのならこれ以上何も言えないだろう。
ただ周りの友人たちが子どもの話をしてくるたびに、俺も早く子どもがほしいなと思った。
「夏美がそう言うなら、もう少し待ってみようか」
「うん」
こういうのは、きっと男性が急かすものでもない。ゆっくり話し合いを重ねて、お互いの気持ちをまとめながら歩み寄っていくのが大事だろう。
そう思って俺は子どもの話を切り上げた。
「ところで、次の連休で旅行しようって話ししてたでしょ。俺色々調べたんだけど…」
俺はタオルで手を拭き、買ったばかりの旅行ガイドを持って隣に座る。
「ああ、ごめん。勝手に決めていいよ。私どこでもいいから」
彼女はそのまま立ち上がり、お風呂場へと消えていった。
最近の夏美は結婚当時のように笑ってくれなくなった。俺の顔を見て話すことも減った。あんなに素直ではっきりした物言いが好きだったのに、最近はそれすらもない。俺の話に適当に相槌を打つだけ。あのときのようにテレビを見てなんやかんやと言い合うことも減った。
「疲れてるのかな…」
それからしばらく経ったある日、夏美が見慣れないハイブランドのバッグを持っていた。