既婚者と肉体関係を持つ「不倫」は、人に知られると責められるだけでなく、慰謝料の支払いや会社での処罰など、社会的なリスクの高い繋がりです。
誰にもバレずに終わらせたとしても、不倫していた事実は消えず、「いつ知られるか」の不安を抱えて生きていくことになるでしょう。
そのときは「大丈夫」と思ってはじめた不倫が、後になって大きな後悔を呼んだケースについてご紹介します。
同僚に“自慢”したことで…

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Aさん(男性/36歳)は、会社の後輩である独身女性と不倫関係にありました。
「先に誘ってきたのは向こう」とAさんは繰り返しますが、部署が違うのにわざわざ自分を訪ねてきたり、昼休みには差し入れのコーヒーを持って現れたりする女性に、嫌な気がしなかったことも事実だそうです。
バレンタインの日には「作りました」と照れながらチョコレートを渡す姿に、Aさんも惹かれていったといいます。
Aさんには同い年の妻と子どもがひとりいて、家庭は安定していました。妻との関係はよく「夜の営みも普通にあった」と話すAさんですが、後輩の女性を気になったのは、代わり映えのしない日々の、ちょっとした刺激だったのかもしれません。
最初のころは、「どうせ社内だけの接触だし」と自分に言い寄ってくる女性の相手も気楽だったAさんですが、様子が変わったのはホワイトデーのお返しを渡してから。
やましくないとはいえ、妻以外の女性からチョコレートをもらったことを家族に隠していたAさんは、ホワイトデーのお返しも妻に知られないようこっそりと買いに行っていました。
後輩女性に似合いそうなハンカチを選び、可愛らしくラッピングしてもらった包みを会社に持っていくのは、「結婚して以来なかったので新鮮だった」とAさんは振り返ります。
退社後の女性に声をかけてプレゼントを渡したとき、「もらえるとは思っていなかったので、うれしいです」と涙を浮かべて受け取る様子を見て、つい「今度、食事でもどう?」と声をかけてしまったそう。
既婚者である自分に堂々と寄ってくる後輩。独身で可愛らしい容姿はAさんの好みでもあり、このやり取りの1カ月後、ふたりははじめてふたりきりでランチを食べに行き、距離が一気に縮まりました。
ホテルに行ったのはそれからすぐで、「流れに身を任せてしまった」と話すAさんは、はじめて踏み込んだ不倫関係に興奮していたといいます。
「妻や子どもに罪悪感はなかったの?」と尋ねると、「もちろんあったよ。でも、俺を求めてくれる彼女にも会いたくて」とAさんは振り返りますが、この有頂天が、やがて問題を引き起こします。
不倫は、他人に知られることが恐ろしいですが、人に言えないからこそ苦しく、また“誰でも持てるわけじゃない特別な関係”と錯覚してしまうと自慢したくなる人もいます。
Aさんは、同じ部署の男性に、後輩女性との関係を打ち明けました。この同僚も既婚でAさんと同じく子どもがおり、家庭生活についての愚痴なども話せる仲です。
「こいつなら話しても大丈夫だろう」と思ったAさんですが、昼休みに誰もいない喫煙所で不倫していることを話すと、「同じ会社の女性と不倫なんて、信じられない」と顔をしかめられたそうです。
てっきり羨ましがられると思っていたAさんは肩透かしをくらったようで胸がざわつきますが、“悔し紛れだろうな”と後輩女性と過ごすホテルでの時間について話し続けます。
すると同僚の男性は「おい、気持ち悪いからやめてくれ。俺は不倫なんて大嫌いだし、お前のことも見損なったよ」と途中で遮り、Aさんを軽蔑した目で見つめながら出ていきました。
そのときのAさんは「とんでもないことを話してしまったのかも、と冷や汗が出た」と、軽い気持ちで自慢しようとしたことを後悔したそうです。
それ以来、この同僚は挨拶しなくなり業務以外でAさんと口をきくことはなく、不倫相手である後輩女性にも同じように冷たい態度で接しているようで、ふたりは「誰かに話されたらどうしよう」という不安を抱えながら過ごすことになります。
後輩女性から「どうしてあの人に話したのですか!」と泣かれてしまったAさんは、浮かれて取り返しのつかないことをした自分を責め続け…。
不倫を羨む既婚者もいるかもしれませんが、一番大切にするべきである配偶者を裏切って別の異性と肉体関係を楽しむ人のことを、軽蔑する人も存在します。
そんな人に自分の不倫を知られてしまうことは、リスク以上に「人としての評価をみずから下げた自分」がいつまでも尾を引くもの。安易に不倫を打ち明けるのは嫌悪の対象になることを、忘れてはいけません。