僕の不満と彼女の不満

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しかし、いままで行為の頻度についていざこざがなかったと言えば嘘になります。過去に2回、僕たちはベッドでのコミュニケーションの頻度について不満が爆発し、話し合いになったことがありました。
1度目は僕の仕事が忙しくなった時期に、激務による疲労とストレスで急激に頻度が下がったとき。2度目はそのあとに、やや頻度が上がったもののあまり僕が積極的になれなかったことで彼女の欲求が薄くなり、そのせいか行為についての考え方がすれ違ってしまったときです。
最初は彼女が僕に、2度目は僕が相手に対して不満を抱えていました。どちらもケンカになってしまいましたが、いま自分はパートナーとしての行為についてどう考えていて、相手にどんな不満があるのか。2度とも時間をかけて話し合い、折り合いをつけました。
このとき僕が感じてい「レス」に対する不安の要素のひとつは、ベッドでのコミュニケーションの頻度が低いと、ふたりの関係性がいずれただの友達になってしまう気がしていたからでした。男女のカップルならば「同居人」になってしまう感覚が近いかもしれません。
行為をすることで、そうではないのだと安心感を得たかったのだと思います。しかし実際は、行為以外にも楽しいことがあるので葛藤していました。
冷静に考えれば、簡単に友人に戻ってしまうなんてことがないくらいお互いに信頼を寄せて一緒にいるつもりです。しかしそのときは、本気でそう思っていたのです。
頻度が低いことイコール、レスではない

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彼女の言葉で気づいたのですが、僕が比較していた「一般的なカップルの行為の頻度」とは、あくまで自分たち以外の他人の平均値で、必ずしも僕と彼女に当てはまるものではありません。頻度が一般的なカップルと比べて低くても高くても、自分たちには関係ないのです。
日常会話、同じ趣味を楽しむ、手をつなぐ、ハグなどコミュニケーションの種類も、そのなかから何を選び何を重要視するのかも、回数や内訳の割合含めカップルによって絶対に異なります。
行為をしない期間が1週間でレスだと感じる人もいれば、ふた月空いてもレスではないと感じる人もいます。お互い不満に思っていなければ毎日のように行為をするカップルも、ベッドでのコミュニケーションが全くないカップルもいるでしょう。カップルの数だけベッドでのコミュニケーションのかたちがあって、それぞれ違っていいのです。
ベッドでのコミュニケーションをとる頻度の度合いでレスかレスではいのかが決まるのではなく、自分もしくはパートナーのどちらかが頻度に対して不満がある状態をレスというのではないでしょうか。なのでお互いに不満がなければレスではないと僕は言いたいし、たとえ頻度だけでみればレスだと言われる頻度であっても、僕たちはレスではありません。
Webで検索をして出てくる頻度より低くても、周囲のカップルと違ったり「レスなのでは」なんて言われたとしても、自分たちが満たされることを基準に考えることを大切にしたい。周囲に合わせて無理に頻度を上げるよりも、お互い不満のないちょうどいい頻度でいた方が心地よい関係性でいられると思います。
そのためには自分だけがこの頻度がちょうどいいからベストだとと思うのではなく、相手が行為や頻度についてどう感じて考えているのかを話し合う機会を持ち、お互いに向き合うことが必要です。
そして、話し合いを持っても永遠にわかりあえるわけではありません。時間が経てば状況も変化し、考え方も変ります。
自分と相手の不満がたまらないように、どこかでまた話し合いが必要です。
ベッドでのコミュニケーションも普段のコミュニケーションと愛情表現のひとつ。僕も含めて周囲や一般的とされる頻度は気にせず、あくまで自分たちのペースを大切にしていきましょう。
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