夫の「再開おねだり」に同情できる理由
さて、もう1つのパターンを見てみましょう。
妻の心身が本調子でない出産後間もないころに「もう子どもがお腹から出てきたんだから、そろそろいいでしょ?」と、夫がおねだりする姿勢を何度も見せたために、「私はこんなに大変なのに、夫は自分の欲望ばかり押しつけて!」と無性に腹が立って、夫との行為に対してイヤなイメージを持ってしまった場合。
これはたしかに、女性の立場から見れば「思いやりがない」とウンザリする話ではありますが、男性の立場から見れば「無理もないな」と同情できるのです。
なぜなら最近のご夫婦は、妊娠中に全くまぐ合いをせずにガマンする人が多いと聞きます。なぜしないのかと言えば、「そんなことをしたら流産させるかもしれないから」、それが怖くて自粛するのだとか。
それで妊娠期間の8カ月も禁欲した挙句に、やっとその心配がなくなったぞ!と期待したところへ、さらに何カ月もお預け期間が延長されるとは思いもよらなかったはずです。
つまり出産前にガマンの期間が長すぎたからこそ、つい妻を求める要求に切実さがこもってしまって、「自分の欲望を押しつける」ように受け取られてしまったのだと言えます。
私が妊娠中の性生活をお薦めする、いくつもの理由
では、そんな事態を防ぐためには、どうすればいいのでしょう?答えはズバリ、「妊娠期間中も性生活を楽しめばいい」のです。
実は、まぐ合いが流産の原因になるわけではないことは、産婦人科の医師も証言しています。
何を隠そう私自身も、臨月に入るころまで夫とのまぐ合いを楽しんでいました。安定期に入るまでは念のために控えていましたが、体調が安定している時期には、行なってもよいのです。
もちろん、普段通りにはできない面もあります。お腹が張るときは控えたほうがいいですし、お腹を圧迫するような体位は取れなくなりますよね。
要は、無理をせず、体調をみながら楽しむこと。セクシャルな触れ合いによってオキシトシンが分泌されるので、妊娠中のストレスを和らげるリラックス効果もありますし、何より夫婦間の信頼関係が深まります。