時間はかかっても…
「不倫夫との離婚は裁判まで進み、やっと成立しました。私が申立人となった調停は半年ほど続きましたが、『離婚したければ金を払え』の一点張りだった夫は、自分の不倫についていっさい謝罪はなく反省の言葉もゼロ。私が持つ証拠が十分でなかったこともあり、かなり難航しました。
調停委員や裁判官から『先に離婚を成立させて、慰謝料や財産分与についてはその後も話し合えますよ』と何度も提案された夫でしたが、離婚を急ぐ私の足元を見るように『金を払えばすぐ離婚する』と言うばかりで、雰囲気は相当に悪かったと思います。
不成立になってからすぐ、私が原告として離婚訴訟を起こしました。
調停ではひたすらお金に執着していた夫でしたが、裁判は想像通り本人訴訟で対応してきました。調停と同じように『離婚したい側が金を払うべき』という主張をしていましたが、裁判官から非常識な考えであること、裁判では通用しないと責められていたと代理人の弁護士から聞き、胸がすく思いがしましたね。
裁判は4カ月ほど続き、財産分与で夫が支払う額がかなり大きくなるとわかった時点で私の代理人が和解案を申し入れ、夫が受け入れて離婚が成立しました。
確実な証拠が存在しなかったため夫の不法行為は認められず、慰謝料の名目で支払いはなかったですが、そのぶん財産分与で私がかなり有利な和解となり本当にうれしかったです。
離婚の成立まで時間もお金もかかったけど、夫の非常識さが浮き彫りとなる流れで調停が終わっていたことが、裁判の早い終了につながったかもと思います。
訴訟は調停が不成立にならないと起こせませんが、夫がどれだけ不誠実でも現実はこちらの味方で、調停から弁護士に相談していた私は非を負うことなく終われてよかったです」(女性/44歳/自営業)
残念ながら、相手の態度や考え方によっては離婚成立とならず、調停が不成立で終わる場合もあります。
そうなると次の選択肢に離婚訴訟がありますが、裁判は調停と違い法律を中心に問題を解決する場。独りよがりな考えや一方的な価値観の押し付けなどは通りません。
こちらを軽んじていた相手が裁判でそのまま非常識な主張を繰り返しても、今度は大きな恥をかくだけでなく損をすることも多いもの。つらい思いをしても、調停を経てあらわになる相手の異常さは、裁判を有利に運んでくれることもあるのですね。
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