「幸せな記憶」を思い出せるもの
「夫の趣味が映画鑑賞で、結婚前は新作を映画館で観るデートが多かったです。
その影響で私も洋画や海外ドラマにハマり、子どもが産まれて忙しくなってからも空いた時間にレンタルしてきた作品を観ていました。
子どもたちが大きくなり、休日にふたりで外出できる時間が増えたら、夫が『映画館に行きたい』と言い出して。
久しぶりだし『ワクワクするね』とふたりで作品を探すのも楽しいですが、せっかく行くならと結婚前のデートで着ていた服と似たテイストのものをあえて買いました。
気がつくかな、と思っていたら夫は『懐かしいね』と言ってくれて、当時トイレを我慢していたことや鑑賞前にプレゼントしてくれた小さな花束が実は邪魔になっていたことなど、いまだからできる笑い話もたくさんできて楽しいです。
夫にとっても幸せな記憶だったのだ、と実感できるのがうれしいですね。
子どもがいるときはそういう話はできないのですが、ふたりきりになって思い出話に花が咲くと、ずっと一緒にいるのだなとしみじみ思います。
『あなたも昔着てたような服、着てよ』と言うとさすがに好みが違いすぎるからと断られましたが、デート前にはしゃぐのが少し恥ずかしい反面、いまでもドキドキできることに幸せを感じます」(女性/44歳/看護師)
結婚前のデートは、家のことも子どものことも考える必要がなく、純粋にお互いを思う気持ちに集中できていましたよね。
10年以上経ってもその気持ちを思い出せるのは、当時の服や持ち物などを記憶とともに楽しめるから。
「あのころ」を懐かしめるのは、長い期間を過ごしてきたふたりにしか持てない感慨であり、その延長の現在もまた、あたたかく受け入れることができます。新鮮味は、過去があるからこそ感じられるのですね。
貴重な平日の昼間に
「仕事が多忙な夫とは、子どもが産まれてからすれ違いが増えて会話がなくなり、仮面夫婦のような状態で過ごした期間もあります。
子どもの病気がきっかけでまた向き合うことができるようになり、『これからは思ったことはきちんと話していこう』とふたりで決めました。
とはいっても、夜勤がある夫とは夜にゆっくりと会話する時間が少なくて…考えたのが昼間のデートです。
休みが取れるなら私が有給を使い、ちょっと高めのお店の個室を予約します。平日の昼間だとお店が混むこともなく、おいしいものを食べながら夫とのんびり話す時間が新鮮です。
夜勤明けなら夫は家でゴロゴロしたいかなと思ったのですが、『一緒なら外で食事したい』と言ってくれてほっとしました。
いまは『来月はどこにする?』とふたりでお店を探すのも楽しみで、子どもたちに隠れてこそこそとインターネットを開く夫を見ると笑ってしまいます。
予想外だったのは、食事の後で夫からホテルに誘われることで、そういうことも子どもが学校に行っている平日ならできるのだなと思いました。
昔は夜勤明けの夫がどう過ごしているか、浮気を心配したこともありましたが、工夫しだいで夫婦で過ごす時間って増やせるのですよね。
家でもスキンシップが増えて、いまさらながら夫の男らしい強引さにドキドキしています」(女性/36歳/営業)
愛情を実感できないつらい時期があったけれど、それを乗り越えてふたたび絆を強くしようとする気持ちが、新しい過ごし方を考える力になります。
夫もそれを受け入れてくれるのは、気持ちが揃っている証拠。家の外で楽しむデートなら、よりふたりきりを実感できる提案を思いつきますね。
普段はできない外食やホテルで肌を重ねることなど、どれも愛情を確認できる貴重な時間です。愛することをためらわない前向きな思いが、幸せな変化として家でも現れます。
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