配偶者への愛情がなくなったり結婚生活に飽きたり、それでも離婚まではする気が起こらず悶々とした日々を送る既婚者が考えるのが「婚外恋愛」。
肉体関係を持てば不倫になりますが、そこまでいかなくても恋愛感情を向け合い刺激のあるつながりを求める人は多いもの。
ですが、自身が既婚者なら家庭外の異性とまともな関係は結びづらく、ジタバタした挙げ句に相手から敬遠されるようなリスクは避けられません。
婚外恋愛に走ったけれど失敗に終わった既婚者たちについて、リアルをお伝えします。
「立場」を忘れて…

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「ダイエットのために通い始めたジムで、好みのインストラクターさんに出会いました。
誰にでも同じ態度で接することや、わからないことを質問すれば後になっても必ず理解できるまで教えてくれる姿など、会社の男性や夫にはない丁寧さに惹かれたのだと思います。
顔はかっこいいしマッチョだし、ジムではかなり人気があり、独身だから狙っている女性も多いのは見ていて、私自身は既婚者だから『最初から相手にされないだろうな』と親しくなるのは諦めていたのですが…。
それでも、少しでも近づきたいと思って別料金だけどパーソナルレッスンを申し込みました。
一対一で筋トレを教えてもらえるコースで、ストレッチやマシンの使い方で彼に触れられるときはドキドキしましたね。
夫とは長らくレスでスキンシップもいっさいなく、日常で男性とこんなに距離が近くなることは起こらないので、彼の男らしい力強さをもっと感じたいと思ってしまいました。
彼のためにと軽く香水をつけたり気合を入れてメイクをしたり、レッスンの終わりには入浴剤をプレゼントしたり、恥ずかしいくらいわかりやすく好意をアピールしていたなと思います。
彼は常に笑顔で話してプレゼントも受け取ってくれるし、調子に乗ってLINEのIDを交換してほしいとお願いしました。
『会員さんと個人的にやり取りをするのは規則でNGなので…』と彼は困った顔をしたけど、『あなたが来てくれるのが僕は一番うれしいですよ。
だからこれからもジムでお会いしましょう』と耳元に口を寄せて言ってくれて、そのときにはっきり好きだと思いましたね。
私が一番と言ってくれるってことは彼も同じ気持ちだろうと舞い上がり、次のレッスンのときに思い切って彼の手に触れようとしたのですが…。
私の動きに気づいた彼がさっと手を引っ込めて、それから明らかに距離を取って説明するようになり、ショックで目の前が真っ暗になりました。
彼は何も言わず、気まずい空気が流れるので居心地が悪くなり、落ち込みながら仲のいいジム友さんにこのことを打ち明けました。
すると、『向こうは客商売なのだから、お金を払ってくれる会員さんにいいことを言うのは当たり前でしょ。向こうの立場になってみなよ、結婚している会員さんでも仲良くするのは仕事だからで、変な関係になったらクビよ、クビ』と同じく既婚のジム友さんに呆れたように返されて、初めて立場の違いを意識しました。
それまで、自分が客だから大事にされているのはわかっていたつもりだったけど、『それ以上』になる可能性なんて向こうはゼロなのだな、と改めて考えて…。
甘い言葉を一方的に都合よく受け止めてしまった自分が情けないし恥ずかしいしで、彼のパーソナルレッスンは契約を解除してしばらくジムをお休みしました。
イケメンのインストラクターと婚外恋愛なんて、そうそうあるはずないですよね。だいぶ夢を見ていたのだなと、ジムに復帰したいまは彼とも挨拶だけの間柄になっています」(女性/40歳/保険)
サービス業の異性と仲よくなり、「自分だけ」のような特別感が見えると、それを恋愛感情と勘違いすることがあります。
特に、夫婦関係が冷めきっており男女の愛から遠ざかっている人ほど、甘い刺激に支配されると「自分はもてなしてもらう側」という立場を忘れるもの。
すべての振る舞いがお金を払ってもらうためとは言い切れませんが、どんな言動であれ相手も一線を超えられないところに立っていることを、忘れてはいけません。
そもそも自分は既婚者であり、配偶者以外の異性とは深い関係は持たないのが当たり前だとすれば、本気で相手にされなくても文句は言えないのが現実です。