頑張っていた部活を全否定。辞めろと言われ、泣きながら退部届を出した
続いて話してくれたのは、Bさん(30歳)。親との関係は、比較的良好だといいます。
「もともと親とそこまで仲が悪いわけでもなく、親ってこんなもんなんだろうなと思っていました。違和を感じる瞬間なんてありませんでした。自分の親しかしらないから『親ってこういうもの』って思ってるんですもん」
そんなBさんが、毒親だったのかも…と気づいたのは、つい最近のことでした。
「やりたいことを満足にやらせてくれない親だったなと。小学生の時に頑張っていたピアノは『コンクールでほかの子より下手くそだったからやる資格なんてない、やめろ』と言われ、3年で辞めさせられました。練習も頑張ってたんですが、お前には才能がないとさんざん言われましたね。
そのあと中学に入ってからは、バレー部を半年で退部させられました。とても楽しくてやりがいのある部活だったんですが、一度足をくじいてしまったことがあるんです。そしたら『のろまなお前はみんなの足を引っ張るだけ、やるだけ無駄』って言われました。
退部届を母親がわざわざ出しに来たんですが、職員室で私は号泣です。それを見て先生も説得を試みてくれてましたが、意味なく…。むしろ恥をかかされたから学校をやめろ!とさんざん言われました。義務教育だったから通えてたものの、高校だったら辞めさせられたかもしれません」
Bさんがいくら頑張っても、すべて否定してくるという母親。部活や習い事だけではありませんでした。
「高校生のとき、はじめてできた彼氏にバレンタインクッキーを作ったんです。それを一口食べて、母親はまずいまずいと笑ってました。ショックで捨てて、結局市販のものをあげた記憶があります。私は何をやってもダメ、才能なんてないし、頑張るだけ無駄だってそのときからずっと思っていましたね。いまだにそう思います」
そんなBさんが、母親が毒親かもと気づいたきっかけとはなんだったのでしょう。
「現在同棲している彼氏と習い事の話になったときに指摘されたんです。私はもともと自己肯定感がかなり低いのですが、彼には『もしかしたらお母さんのそうした対応が、自信を失うきっかけになっちゃったのかもね』と言われました。
最近婚約もして先日顔合わせしたのですが、そこでも母親は『こんなブスでごめんなさいね』とか『何もできないお荷物だけど』って私のことを下げてましたね…。それが親として当たり前なんだなって思ってましたが、彼氏の話を聞いておかしいんだって気づきました。彼氏の親がちょっと引いていたのが気になってたんですが、そういう理由だったのかと…」
母親が毒親だと気づいてからも、特に拒絶はしていないといいます。
「ムカつくことは言われるけど嫌いなわけではないんですよね…これまで当たり前だったからかな。でも距離はおくようになりましたね、否定されていい気はしないので」