配偶者と離婚したいけれど、話し合いがうまくいかないときに利用できるのが離婚調停です。
家庭裁判所で誰でも申し立てることが可能な離婚調停は、第三者を交えた場でしっかりと自分の主張ができる反面、時間がかかるのが難点。
離婚が成立するとは限らないのも不安を強くする理由で、落ち着かない心を抱えながら調停を続けるのは本当に大変なことを実感します。
調停を進めながら少しでもリラックスして過ごすにはどうすればいいのか、実際のケースをご紹介します。
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「味方」の存在に(女性/39歳/総務)

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「夫の不倫が発覚して離婚を切り出したものの、『財産分与を諦めるなら離婚してやってもいい』と口にした夫に怒りが湧いて調停を申し立てることに決めました。
自分の不倫は妻である私のせい、『お前が離婚を言い出したのだから養育費は払わないからな』とふんぞり返る夫には本当に呆れ返りましたが、調停の結果離婚は無事に成立、養育費も裁判所が用意していた算定表通りの額で決まり満足しています。
会社の人が調停を利用して離婚した話を知っていたので、思い切って事情を打ち明けたら『私の経験でよかったら』といろいろとアドバイスをしてくれて心強かったです。
いざ調停が始まってみると、月に一回しか開かれなず、もどかしい思いでした。
夫は不倫は認めたものの、慰謝料の支払いについては『妻が俺を大事にしないのが原因だから払わない』『抱かせてくれないのが悪い』の一点張り、養育費も『払う義務がある』と話す調停委員さんに『妻は金目当てで離婚をする気だ』ととんでもないことを言い出して、本当にストレスで胃が痛かったです。
離婚するには夫の言い分を全部のむしかないのか、私が諦めるしかないのかと何度も弱気になり、会社の人につい弱音を吐いてしまったのですが、『私も同じ気持ちだったからわかるよ。でもね、ここで折れたら一生後悔するよ』と何度も言われました。
粘り強く交渉を続けて財産分与も養育費もしっかりと取り決めをした現実を聞かせてもらって、『養育費は私じゃなくて子どものために払わせて当然なのだ』と思うと、胸が重たくなる調停当日も何とか気合を入れることができましたね…。
このかたはご家族の支えがあって一年に渡る調停を乗り越え、身内が県外にいる私には羨ましい限りだったけど、事情を知って『力になるからね』と言ってもらえることに本当に感謝しました。
離婚後の解放感いっぱいの生活なども聞かせてもらったら、『私もこうなりたい、諦めたらダメだ』と思えるのですよね。
夫の主張については調停委員のおふたりもおかしいと思っていて、私の『妻に非があると言うのならどうして不倫をする前に向き合おうとしなかったのか、自分の子のための養育費なら払うのが親として当たり前』という気持ちに同意してくれて、夫の説得を続けたことにも勇気をもらいました。
結局、慰謝料については、不倫の証拠として夫の財布から見つけたラブホテルの割引券があり、すでに本人も調停の場で認めているので訴訟を起こせば確実に払わせることができると伝えてもらったら、夫は観念して財産分与を多めに渡すことで決定。
養育費も、担当の裁判官から支払いの義務について夫に説明があり、逃れられないとわかった夫は渋々同意しました。
調停で決まったことなので強制力があるのは、苦労した甲斐があると素直に思います。
調停の経験者という大きな味方がいてくれたおかげで、何とかメンタルを保って向き合うことができました。
もし機会があれば、次は私が自分のような人の助けになりたいと思っています」(女性/39歳/総務)
配偶者との離婚話がこじれて家庭裁判所で調停を申し立てることなど、そうそうある現実ではなく、身近に応援してくれる人がいないのはよく聞きます。
経験者の存在はそれだけ貴重であり、調停の流れや今後の予想などを立てやすくなるのがありがたいですが、何より感謝するのはつらい気持ちを理解してくれること。
離婚が前向きな選択だとしても、そこに至る過程はどうしてもネガティブな感情を避けられず、弱音を受け止めてくれる人がいてくれることは本当に心強いですよね。
悔いのない離婚を遂げるためには自分の意思をしっかり持つのが重要ですが、成功した人の話は大きな支えになるのを実感します。
自分が助けてもらったからこそ、次は自分が誰かを支える側になれたら、それも人との大切な関わりになるといえますね。