ご近所トラブルでよく聞くのが「騒音」。人の話し声、楽器、うえの階からの足音…さまざまな「音」に悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか?
今回お話を聞いたショウゴさん(仮名)もそのひとり。さっそくトラブルの内容について、覗いてみましょう。
男性の唸り声と太鼓の音が聞こえてくるマンション

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回答者プロフィール(すべて当時)
- 名前(仮名)/年齢/性別/職業:ショウゴさん(仮名)/37歳/男性/自営業
- 家族構成:自分
- ご近所さんの年齢/性別/職業:90代/男性
- ご近所さんの家族構成:ご近所さん、息子(70代)
- エリア:関東エリア
お住いの家について教えてください。
賃貸マンションに住んでいます。
ご近所さんと初めて会ったときのシチュエーションを教えてください。
10年ほど前に、トラブル相手が引っ越して来ました。
僕は同じマンション内に自宅とサロンで2部屋借りており、サロンのほうのお隣さんです。
老々介護の2人暮らしになる旨を、挨拶に来た60代くらいの妹さんから聞きました。
妹さんはしっかりしていて社交的な方で、「父の足が悪いため低層階に引っ越してきた」「デイケアと訪問介護を利用したりするので出入りが頻繁になるかもしれない」と話してくれました。
週にどのくらい顔を合わせますか?
サロンを開ける時間とデイケアに行かれる時間が被り、週4日ほど顔を合わせていました。
トラブルの内容を教えてください。
夕方、決まった時間になると太鼓の音と読経の音、唸り声が聞こえてきました。
結構な大音量で、冬は窓が閉まっているのでまだマシなのですが、夏場は窓を開け放っているので隣近所に響き渡っていました。2つうえの自宅にしている部屋にも聞こえるほどでした。
そのため、読経が聞こえる時間はお客さまの予約をお断りするようになり、収益が落ちてしまって…。
僕の住んでいたマンションは、低層階をショップやサロン、事務所として利用する許可が出ていて、私以外にも経営していた人がいたので、管理会社と組合に複数人で「営業が妨害される」とクレームを出しました。
ご近所さんが越して来てから3カ月ほどで管理会社から注意が入ったようですが、それでも太鼓の音と読経は決まった時間に必ず聞こえました。
そのため、マンションに仕事のために入居していた人たちは1年ほどでほとんどいなくなってしまいました。
私も、入居のときにお世話になった不動産屋に相談して別の場所にサロンを移転せざるを得なくなりました。
移転先の家賃交渉や通勤時間の影響による稼働時間の激減など、いまでも当時の大変さは忘れません。
また、通勤の不便さなどを考え、自宅にしていた部屋も4年前に引き払いました。
その後、トラブルは解決しましたか?
去年、新型コロナウイルスでご近所さんが亡くなったそうです。
その後、しばらくしてひっそりと息子さんは引越されたそうで、騒音はピタリと止みました。
この騒音騒ぎでマンション内に商業利用者のコミュニティができたので、そこで仲良くなった人たちからことの顛末が伝聞されました。
ご近所さんとの関係はどうなりましたか?
4年前に住んでいたマンションから、移転した店舗近くに転居したので顔を合わせなくなりました。
現在ご近所トラブルでお悩みの方に一言お願いします。
まずはどんなトラブルか、記録を取っておくことをおすすめします。
経験上、自分の家族だけで解決しようとせず、近隣の人と一緒に管理組合や町内会に相談するとスムーズです。
それでもダメだった場合、果敢に裁判や警察などを通して戦う、スカッとするような武勇伝もよく目にしますが、実際には相互理解ができない相手とコミュニケーションを取るのは精神も体力も非常に削られます。
賃貸の方は引越しを第一に考えると、精神衛生によいと思います。持家の方も一時避難で構わないので、逃げるという選択肢を忘れないでください。
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