1日にして100倍にも、100分の1にもなる?
また、値上がりと値下げの仕組みですが、これも仮想通貨に参入しているプレイヤーが毎年増えているなかで、国による仮想通貨に対するスタンス、機関投資家の参入など、信頼性が高まったり下がったりで価格が上下したり、単純に大量保有者が売却したり…とさまざまな要素が絡んできます。
さらに、株と違い1日の上限率や下限率のリミットがないため、1日にして100倍になったり100分の1になったりというのが起こり得ます。つまり、ほかの金融資産と比べてハイリスクハイリターンな資産といえるでしょう。
また、仮想通貨を複雑にしているのはその種類の多さもあります。有名なところではビットコインですが、数千種類の仮想通貨が存在しているといわれており、同じ金額を投じて仮想通貨を購入しても、どの仮想通貨を選ぶかで価格変動も変わってきます。
一般的にビットコインなど時価総額(流通額)が高いものほど知名度があるといえ、価格変動も低く、逆に時価総額が低く全く知られていないものは、何かがきっかけに有名になり価格が爆発的に上がる可能性もある一方で、まったく買い手が見つからず換金できない可能性も高くなります。
たとえば、2020年12月時点の時価総額44位「ドージコイン」はテスラ社長のイーロン・マスクが「ドージコイン」とツイートするだけで、価格が約20%値上がりしたりしました。
個人の資産分散をするうえでは、ハイリスクハイリターンな資産の割合は少なくしておくのがよいと思います。理由は、少なければゼロになっても生活に困ることはありませんし、逆に増えれば資産における割合が必然的に増えるからです。
仮想通貨はハイリスク・ハイリターンな資産ですから、なくなってもよいくらいの資産を投じるのが前提でしょう。そのうえで正統派で時価総額が大きい仮想通貨を選んでもよいと思いますし、山っ気のある時価総額の低い仮想通貨を選ぶというのもアリだと思います。
ゼロになるリスクもありつつ、仮想通貨を持ついちばんのメリットは、少額でもものすごいリターンが得られる可能性があることと、最先端テクノロジーを使った資産の知識が身につくということじゃないでしょうか。
なくなってもよいくらいの資産であれば持たないほうがよいというのもあるかもしれませんが、持つことで知ることになり、さらにほかの金融資産と違い、少額でもものすごいリターンを得られる可能性もあるのですから、お勉強代くらいの感覚の金額を持っておくのはむしろ非常によいことだと思います。
- image by:Unsplash
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。