仕事をする上で、いかにモチベーションを維持するのかはとても重要なことですよね。自分がやりたいこと、人間関係や職場環境など、仕事選びの中で究極の選択に迫られる瞬間は誰にでも起こりえます。
実際に超ブラックな労働環境で仕事をしたことのある久米信行さんが、ご自身のメルマガ『久米信行(裏)ゼミ「大人の学び道楽」』にて、実体験を元に嫌なこと・苦手なことに取り組む時のモチベーションを保つ方法を教えてくれています。
苦難な環境の中でも得られたものがあると語る久米さんですが、一体どのような影響があったのでしょうか?それでは見ていきましょう。
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Q.成長できそうな会社で嫌なこと・苦手なことに取り組む極意

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自分が心地よくストレスなく成長できる組織に居続けるか、居心地は悪いが成長できそうな環境に飛び込むか迷っています。
また、後者を選ぶ場合、嫌なこと・苦手なことに取り組むことになると思いますが、その時のモチベーションはどうすればよいですか?
(20代 明治大学の教え子からの質問)
A.適度なストレスが成長とひらめきには必要。嫌なこと苦手なことの多くは食わず嫌い。3年続けてブレイクスルーの楽しみを繰り返す
幸か不幸か、私は40年にわたる仕事人生で、心地よくストレスがない組織で働いたことがありません。ですから、比較して、どちらがよいかお答えすることができません。
しかし、これだけは確信を持って言えることがあります。
今、私の人生に役立っていると実感している知見やスキルの多くは、修羅場のごとき厳しい環境で身に着いたものがほとんどなのです。
そして、それらは、学生時代の私にはできなかったこと、即ち食わず嫌いで苦手だったことばかりです。
元来、怠け者の私に、快適な環境は危険
商売人の長男で初孫、しかも下町仲良しコミュニティの中でかわいがられ甘やかされた私は、快適な環境の中で「ものぐさ信ちゃん」と言われる肥満児になりました。
しかも、そこそこ勉強ができて体も大きかったので、お山の大将的ないじめっ子だったのです。
もしも、しでかした悪さの戒めで、隣の学区の子供が集うボーイスカウトに途中入団させられて、いじめられっ子になっていなければ、今も意地悪ないじめっ子だったでしょう。
また、中学受験に失敗して、不良だらけの公立中学校バスケ部で、今では考えられない非科学的なしごきに合わなければ、運動嫌いの肥満児のままだったでしょう。
同様に、大学卒業後すぐに、バブルで沸き立っていた家業の後継者で入って、ぬくぬくと社会人生活を始めていたら、きっと久米繊維をつぶしていたはずです。
なにせ、元来、私は自他ともに認めるなまけもので、めんどくさがりやなのですから。
中小企業的修羅場で働く利点は、選択肢がなく「自分がやるしかない」こと
創業期ベンチャー「イマジニア」では、入社していきなり命じられたのは、売れない不人気ゲームを、町のおもちゃ屋さんやディスカウントストアを探しだして、飛び込み営業をしろという無茶ブリでした。
しかも、それまで販売したゲームの売れ行きが悪く「お前のところのゲームは要らない、返品するから持って帰れ」と門前払いの状態が社会人のスタートでした。
せっかく人気の大学と学部を卒業し、ゼミ代表まで務めたのに、誰がそんなことをしたいと思うでしょうか?
しかし、そこで変なプライドや階級意識を投げ捨てて、目の前のお客様の気持ちを感じ取り、どうすれば喜ぶかを必死に考える貴重な経験がなかったら、今の私はありません。
同社では、倒産の危機を感じ取ったのか、どんどん社員が辞めていく中で、昼は営業、夜は終電までゲーム企画までしろと命じられる、まさに超ブラックな労働環境でした。
でも、この24時間戦う修羅場を体験していなければ、その後、構造不況の中小企業オーナー経営者など務まらなかったでしょう。
そして、その超ブラックな仕事ぶりのおかげで「自分で創って自分で広報し自分で売る」という商売で最高の喜びを味わうことができたから皮肉なものです。
まさに一人何役もこなすベンチャー企業や中小企業でしか、一気通貫でお客様の喜びを考え抜いて新しい商品を創造する醍醐味は味わえなかったでしょう。