「今月も赤字かもしれない」「また値上げのニュース…」そんなため息が聞こえてきそうな昨今。物価上昇が続く中、私たちの暮らしはどう変化しているのでしょうか。
マイボイスコム株式会社が2026年1月に実施した「くらしと節約」に関する調査では、全国の11,296名を対象に、2025年の生活満足度や節約の実態、そして今年の消費意向について聞いています。
この調査結果からは、物価高という厳しい現実と向き合いながらも、自分らしい暮らしを模索する現代人の姿が浮かび上がってきました。
今回は、この調査データを紐解きながら、令和の時代を生きる私たちの「お金」と「幸せ」の関係について考えていきたいと思います。
2025年、満足できた?できなかった?

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まず注目したいのが、2025年の生活満足度についてです。
「非常に満足できた」「まあ満足できた」と答えた人は約6割。一見すると過半数が満足しているように見えますが、裏を返せば4割以上の人が満足できなかったということになります。
興味深いのは、性別・年代による違いです。女性の方が満足度がやや高く、男性では10代・20代と70代で高い傾向が見られました。
つまり、若年層とシニア層では比較的ポジティブに1年を振り返れた人が多かったということです。
一方で、満足できなかった人の割合が特に高かったのは、男性30代〜50代。この世代では、いずれも5割前後が「満足できなかった」と回答しています。
家庭や仕事で責任が重くのしかかる働き盛り世代にとって、2025年は厳しい1年だったのかもしれません。
収入は思うように増えず、出費は増える一方。そんなジレンマを抱えながら日々を過ごしてきた姿が、この数字の背景にあるのではないでしょうか。
6割が節約した2025年。その理由とは
次に、節約の実態について見てみましょう。昨年1年間に「かなり節約した」「まあ節約した」と答えた人は約6割。
つまり、多くの人が何らかの形で家計の引き締めを意識していたことがわかります。特に女性50代では節約意識が高く、この世代が最も家計管理に敏感であることがうかがえます。
対照的に、女性10代・20代では節約していない人が半数近くに上りました。若い世代は収入が安定していない一方で、自己投資や経験にお金を使いたいという意識が強いのかもしれません。
あるいは、まだ家族を養う責任がない分、節約よりも「今を楽しむ」ことを優先しているとも考えられます。
では、節約した人たちは、なぜ財布の紐を締めたのでしょうか。
最も多かった理由は「物価上昇」で42.0%。食料品や日用品、光熱費など、あらゆるものが値上がりする中、否応なく節約を迫られた実情が見て取れます。
次いで多かったのが「将来の生活に備えて」で33.8%。年金不安や老後資金への不安が高まる中、「今のうちに貯めておかなければ」という危機感が背景にあるのでしょう。
そして3番目が「収入が少ない・減った」で24.3%。賃金が思うように上がらない、あるいはボーナスカットや残業減少などで収入が減ってしまった。そんな切実な声が聞こえてきます。
年代別に見ると、さらに興味深い傾向が浮かび上がります。
10代・20代では「お金をためて使う目的があって」という前向きな理由が多く、旅行や趣味、結婚資金など、明確な目標のために計画的に節約している様子がうかがえます。
30代・40代で目立つのは「子供の教育費の確保」。習い事や塾、将来の大学費用など、子育て世代にとって教育費は大きな負担です。わが子の未来のために、自分たちの楽しみを後回しにしている親の姿が見えてきます。
そして女性70代では「病気やケガなどいざというときのために貯蓄したい」が2位に。健康不安が現実味を帯びる年代ならではの、備えの意識が表れています。
今年は、何を削る?何を節約する?

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では、2026年はどうでしょうか。今年節約を心がけようと思っている項目のトップは「食料品」で32.7%。毎日必要なものだからこそ、ここを見直せば大きな効果が期待できるという判断なのでしょう。
特売品を狙う、まとめ買いをする、プライベートブランドを選ぶ。そんな工夫をしながら、食卓を守ろうとする人々の姿が目に浮かびます。
2位は「外食」で26.1%。家で食べれば数百円で済むものが、外では数千円かかることも。家族での外食を控えたり、ランチは弁当を持参したりと、そんな選択をする人が増えているようです。
3位は「菓子・デザート類」と「公共料金」が同率で各2割強。菓子やデザートは「なくても生きていける」贅沢品という位置づけなのでしょう。
調査の回答者コメントにも「デザートは誕生日やクリスマスなどのイベント時のみ買う」という声がありました。
一方で公共料金については、電気やガスの使い方を見直す、契約プランを変更するなど、固定費削減への意識が高まっていることがわかります。
興味深いのは、若年層では「公共料金」「衣料品」の節約意識が低いという点です。実家暮らしで光熱費を気にしなくて済む、あるいはファッションは譲れないという価値観があるのかもしれません。
また、男性10代〜30代では「特にない」という回答が多く、節約よりも稼ぐことや自己投資に意識が向いている可能性もあります。
それでも、お金をかけたいものがある
節約、節約と暗い話ばかりではありません。
今年は昨年よりお金をかけたいと思っている項目について聞いたところ、トップは「旅行」で20.1%という結果に。
コロナ禍の制限が完全に解け、久しぶりに自由に動けるようになった今、「やっぱり旅に出たい」という気持ちが高まっているのでしょう。
特に女性60代では旅行への意欲が高く、時間的余裕のある世代が「これまで我慢してきた分、今年こそは」と考えている様子がうかがえます。
一方、男性30代・40代では旅行にお金をかけたい人がやや少なく、子育てや住宅ローンなど、ほかに優先すべき出費があるのかもしれません。
2位は「趣味・娯楽・教養」で12.5%。節約ばかりでは心が疲弊してしまいます。好きなことに時間とお金を使うことで、日々の活力を得たいという思いが感じられます。
ただし、「特にない」と答えた人が50.0%と半数に上っている点も見逃せません。
お金をかけたいものがあっても、現実的には難しいという諦めや、あるいは物欲そのものが減退しているという可能性もあります。
女性若年層では「特にない」の割合が低く、旅行や趣味、美容など、使いたい分野が明確なのかもしれません。
幸福感は、お金で決まるのか?

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最後に、幸福感についても触れておきましょう。「今、自分が幸せだと思う」人は約56%。節約に追われ、満足度も高くない中で、それでも半数以上が幸せを感じているというのは興味深い結果です。
幸福度が高いのは女性や高年代層。特にシニア世代では、経済的な余裕というよりも、健康であること、家族がいること、日々の小さな喜びなど、お金以外の要素で幸せを感じているのかもしれません。
一方、幸福度が低いのは男性30代〜50代。生活満足度も低かったこの層は、幸福感についても厳しい評価を下しています。
仕事のプレッシャー、家計の不安、将来への焦りなど、さまざまな重圧が、幸福感を奪っているのではないでしょうか。
まとめ
節約と贅沢、我慢と楽しみ。そのバランスをどう取るかは、それぞれの価値観や家族構成、ライフステージによって異なります。
大切なのは、「みんながこうしているから」ではなく、自分や家族にとって何が本当に大切なのかを見極めることではないでしょうか。
物価高は続くかもしれません。でも、お金の使い方を見直すことで、本当に大切なものが見えてくることもあります。
あなたにとっての「譲れないもの」は何ですか?この調査結果を参考に、改めて自分の暮らしを見つめ直してみるのも良いかもしれません。


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