歳を重ねるにつれ、「結婚を意識したお付き合い」への思いがより強くなる人が多いと思います。でも最近、ふと気になることはありませんか?
周りを見渡すと、結婚という形にこだわらずにパートナーと生きている人たちがいる。
事実婚のカップル、同棲しながら自由を大切にする二人、あえて別々に暮らすことを選んだ恋人たち。
それぞれが自分たちの「ちょうどいい距離感」を模索しながら、関係を築いているのかもしれません。
一方で、どんな関係性を選んでいたとしても、パートナーへの不満やモヤモヤを誰にも打ち明けられず、ひとりで抱え込んでいる人もたくさんいます。
「嫌われたくない」「負担をかけたくない」という気持ちが、本音を飲み込ませてしまうのです。
今回は、株式会社リスミィが全国の20〜39歳の未婚男女720名を対象に実施したアンケート調査をもとに、現代のパートナーシップの“リアル”を深掘りしていきます。
あなたの恋愛観や心のどこかに引っかかっていた悩みへのヒントが、きっと見つかるはず。
「結婚して当然」の時代は終わった?
まず驚いたのが、「理想の関係性」についての考え方が多くあるということ。
調査によると、「結婚して、共に生活したい」という、いわゆる結婚志向層は50.0%。
確かに半数を占めており、依然として結婚が多くの人にとっての理想であることは間違いありません。
しかし注目すべきは残りの半数。
「同棲や事実婚などで共に生活したい(非婚同居層)」が17.8%、「同居せずそれぞれの生活を保ちながら交際したい(非婚別居層)」が11.4%。
これら非婚志向層を合わせると、実に29.2%と、約3人に1人が、法律上の結婚という形にこだわらないパートナーシップを望んでいることになります。
さらに「恋人・パートナーは特に必要ない」と答えた人も15.3%にまでのぼりました。
これはもはや「結婚離れ」という単純な言葉では片付けられません。
結婚しないことへの消極的な選択ではなく、「自分たちにとって最も心地よい距離感はどこか」を積極的に考えた末の選択として、パートナーシップの形が多様化しているのです。
あなたはどのタイプでしたか?正直に自分の気持ちと向き合ってみると、意外な答えが見つかるかもしれません。
別れを意識するとき——関係性によって、こんなに違う「限界のライン」
理想のパートナーシップの形が違えば、「もう限界かもしれない」と感じる瞬間も異なってきます。
調査では、それぞれの志向別に別れを意識した主な理由が明らかになりました。
【結婚志向層】「性格や相性の不一致」が35.4%で最多
結婚を望む人たちにとって、最も別れを意識させる理由は「性格や相性の不一致」(35.4%)でした。
これは、結婚という長期的なコミットメントを前提としているからこそ、根本的な部分での「合う・合わない」が大きく響くのでしょう。
食の好み、生活リズム、価値観のすれ違いなど、交際中は許容できていたことも「この人と一生を共にするのだろうか」と想像したとき、一気に現実感を帯びてきます。
好きという気持ちだけでは越えられない壁があることを、結婚志向の人たちは敏感に感じ取っているのかもしれません。
【非婚同居層】「将来の方向性の違い」と「お金のズレ」が上位
同棲や事実婚を望む非婚同居層では、「将来の方向性の違い(結婚への意識の差など)」(28.0%)と「経済的な不安や金銭感覚のズレ」(23.1%)が上位に挙がりました。
興味深いのは、「将来の方向性の違い」に結婚への意識の差が含まれている点です。
自分は入籍にこだわらないのに、相手は「いつかは籍を入れたい」と考えている。そんなすれ違いが、関係の岐路になるケースが少なくありません。
一緒に暮らすことを望んでいるからこそ、現実的な経済面での感覚の差にも、大きな亀裂につながりやすい。
同棲を選ぶということは、ある意味で結婚に近い現実的な生活を共にすることでもあるからです。
【非婚別居層】「束縛・干渉」や「依存」が際立つ特徴
お互いの自立した生活を守りながらの交際を望む非婚別居層では、「経済的な不安」(23.4%)「性格や相性(21.3%)」に加えて、「束縛や干渉」(20.3%)と「相手の精神的な依存や重さ」(12.8%)が、ほかの層に比べて明らかに高い割合を示しました。
「それぞれの時間と空間を大切にしたい」という気持ちで関係を始めたのに、相手がどんどん依存してきたり、連絡のタイミングや行動に口を出してきたりすると、別れを意識させるきっかけになりやすいのです。
自由を選んだはずなのに、気づけば縛られていた。その息苦しさは、自立した関係を望む人にとって特に堪えるものがあるでしょう。
不満を抱えながら、なぜ私たちは黙っているのか
別れを意識するほどの大きな問題になる前に、日々の小さな不満やモヤモヤはどう処理されているのでしょうか。
この調査結果が、とても胸に刺さるものでした。
7割の人が本音を言えていない現実
不満への対処として最も多かったのは「相手に直接伝える(話し合う)」で32.5%でした。
個別の選択肢としては最多ですが、裏を返せば、7割近くの人がパートナーに直接不満を伝えていないということになります。
これは少し立ち止まって考えたい数字ではないでしょうか。
大切な相手とのことなのに、本音をぶつけることよりも、別の方法で気持ちを処理しようとしている人がこんなにも多いというのが、現代の恋愛におけるリアルなのです。
我慢が生む沈黙の連鎖
対話・相談以外の方法を選んでいる人の内訳を見てみると、
- 「自分の中で我慢する」/24.6%
- 「言わずに態度で示す」/13.7%
- 「距離を置く」/11.1%
- 「仕事や趣味に没頭して気を紛らわせる」/3.5%
これらを合わせると、なんと52.9%と過半数の人が、不満をひとりで処理しようとしていることになります。
我慢、態度、距離、現実逃避。どれも根本的な問題を解決するものではありません。
むしろ相手には何も伝わらないまま、自分の心だけが少しずつすり減っていってしまいます。
そしてある日突然「もう限界」と爆発するか、静かに気持ちが冷めていくか。そんな経験に心当たりがある方も、いるのではないでしょうか。
本音を言えないまま関係を続けることの切なさ。この数字には、多くの人の抱える葛藤が詰まっています。
「嫌われたくない」「負担をかけたくない」——不満を言えない本当の理由
自分の中で不満をため込んでいては、ただただ自分を苦しめるだけなのに、なぜ多くの人たちが不満を直接伝えられないでいるのでしょうか。
その理由もまた、関係性の志向によって異なる傾向が見えてきました。
【結婚志向層】「嫌われるのが怖い」から言えないジレンマ
結婚志向層で最も多かった理由は「相手に嫌われる、気持ちが離れるのが怖いから」(29.6%)でした。
「長く一緒にいたい」「この関係を大切にしたい」という気持ちの強さが、逆に本音を飲み込ませてしまっています。
「不満を言ったら雰囲気が壊れるかもしれない」「怒らせてしまったらどうしよう」という恐怖が、沈黙を選ばせるのです。
大切だからこそ、言えない。そのジレンマは、多くの人が一度は感じたことがあるかもしれません。
【非婚同居層・非婚別居層】自分よりも相手を気遣う優しさ
一方、非婚同居層と非婚別居層では「相手の重荷・負担になりたくないから」(非婚同居層27.4%/非婚別居層23.3%)が最多となりました。
自分よりも相手への気遣いを優先する、その優しさが不満を言えない理由になっているのです。
「こんなことで悩んでるって思われたくない」「自分のことは自分でなんとかしなきゃ」そんな気持ちが、本音の吐き出し口を塞いでしまっています。
非婚志向層に特徴的な「自分で消化すべき」という意識
最も興味深かったのが、「自分の感情や機嫌は、自分で消化すべきだと思うから」という今までのものとはまた違った回答です。
- 結婚志向層/8.7%
- 非婚同居層/19.1%
- 非婚別居層/16.8%
非婚志向層では結婚志向層の約2倍。「自立した関係を望むからこそ、感情的な問題も自分で解決するべきだ」という意識が根底にあるようです。
しかしここに、新しい形のパートナーシップが抱える落とし穴があるかもしれません。
自立を尊重し合うことは素晴らしいことです。
でも、感情や不満まで全部自分ひとりで処理しようとすることは、本当に「自立」なのでしょうか。それは、孤独に近いものではないでしょうか。
不満を打ち明けることは、依存でも甘えでもありません。二人の関係をより良くするための、大切なコミュニケーションのひとつのはずです。
まとめ
今回の調査からは、現代の恋愛・パートナーシップの複雑なリアルが見えてきました。
結婚志向の人も、非婚志向の人も、そして恋愛そのものに疲れてしまっている人も、形は違えど「大切な人と、心地よい関係を築きたい」という気持ちは共通しているはずです。
もし今、パートナーへの不満やモヤモヤを抱えているのなら、「言ったら嫌われるかも」「負担をかけたくない」という不安に恐れずに、勇気を出して本音を伝えてみてください。
不満を正直に伝えるということは、同時に、「この関係をもっとよくしたい」という愛情の表れでもあるのです。
どんな関係性を選ぶかではなく、その関係の中でどれだけ正直でいられるかが、これからの時代のパートナーシップにとって、最も大切なことなのかもしれません。


0 件



