学生時代を終え、社会人になっても勉強が必要になる時があるはず。自身のキャリアアップのためにも、資格取得などの学びが自分人生を豊かにしてくれるかもしれません。
とはいえ、社会人は自分自身のやる気次第で勉強時間が変わってくるもの。正直勉強が続かないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回ご紹介したいのは、メルマガ「石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』」の著者であり、5つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家・石川和男さんが勉強を長続きさせるための考え方をご紹介します。
勉強が続かないのは、「やり方」じゃない「捉え方」が9割だった!

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「ゲームでは夢中になるあの集中力、勉強にも活かせたらいいのに」
そう思ったことがある方は、きっと少なくないはずです。だけど、実は勉強こそが人生でいちばん楽しめるゲームだとしたら?
私が初めて「真剣勝負」を体験したのは、小学校6年生のころ。当時流行していた「スペース・インベーダーゲーム」。夢中になり、毎日のように駄菓子屋に通っていました。
お小遣いは110円。10円でスルメを買い、残りの100円をコイン投入口に……。たった1回のプレイ。負けたらそれでおしまい。
だからこそ1回にすべてを賭けていたし、だからこそメキメキと上達しました。
いつの間にか、私がプレイしているとギャラリーができるようになり、駄菓子屋でダントツのスコアをたたき出す存在になっていたのです。
その後も「マリオ」「ドラクエ」「テトリス」と、さまざまなゲームにのめり込みました。特にテトリスでは、何時間も夢中でやり続けたこともあります。
ゲームは夢中になればなるほど上達するし、やればやるほど面白くなる。ふと気づいたのは、その構造が勉強や仕事とそっくりだということでした。
たとえば、兼好法師が鎌倉時代末期に書いた随筆「徒然草」に「初心者は二本の矢を持つな」という教えがあります。
二本目があると、一射目に全力を込めなくなる。まさにその通りです。
毎日何度もプレイできるゲームより、1日1回の真剣勝負だからこそ、全身全霊で挑めた。そして、その1回の質が、成長を一気に加速させてくれたのです。
便利になった今の時代、何でも後から見直せるようになりました。動画授業も繰り返し見られるし、テレビ番組も録画すればいつでも観られます。
でも、その「いつでもできる」は、「今、本気でやる」を遠ざけてしまうこともあるように思います。
録画できなかった時代、映画は一度きりの放送を見逃さず観ようと、息を詰めて集中していた。だからこそ、その記憶は鮮明に残り、感動も深くなった。
勉強も同じです。「また見ればいい」と思った瞬間に、集中力は落ちる。「この1回で覚える」と決めて臨んだほうが、記憶に残るし、学びの効率も格段に上がる。
もし授業が一度しか受けられなかったとしたら?私たちはその一瞬に、全力で向き合うはずです。
そして、勉強を「ゲーム」と捉えると、一気に楽しくなります。
繰り返し問題を解くことでレベルアップし、基礎問題をクリアしてから応用問題に挑戦する。ボスキャラのような難問に挑み、最終的には資格試験というラスボスを倒す。
ゲームのなかでは、キャラクターが成長します。勉強では、自分自身が強くなる。その喜びは、ゲームを超えるリアルな感動です。
私はあるとき、ゲームの代わりに資格試験に挑むようになりました。
最初は建設会社に配属されたのをきっかけに、建設業経理事務士の4級からスタート。そこから3級、2級、そして最難関の1級まで一気に取得。全国の社員のなかで最速の取得者として、取締役からも表彰されました。
最終的には税理士資格も取得し、「経理の達人」と呼ばれるように。
それはゲームのように、ステージをクリアし続けてきた結果でした。そしてそれは、自信になり、人生の可能性を大きく広げてくれたのです。
勉強をもっと楽しくする方法は、いくらでもあります。
- 友人と暗記勝負をする
- 過去の自分の点数と競う
- 隣の席の人が休憩するまで自分も休まないと決め、勝手に勝負する
- 模試の順位で勝手にライバルと張り合う
- タイムを測って自己ベストを目指す
- ご褒美を設定してステージクリア感を演出する
こういったちょっとした仕掛けで、勉強は一気にゲームに変わります。
もちろん、知識や資格だけで人生がすべて変わるわけではありません。でも、専門性を高め、選ばれる存在になるためには、確実な武器になります。
もしあなたが今の仕事で頭ひとつ抜けたいと感じているなら、その道の資格に挑戦してみてください。
経理なら簿記、総務なら社労士や行政書士、外資系なら英語系の資格、建設現場なら施工管理技士。
ステージを登るように、一歩ずつ進んでいけば、必ず景色は変わっていきます。
ゲームには、ときに「真のラスボス」が存在します。本編の最後に、さらに強い敵が現れる。人生にも似たようなことがある気がします。
「これで終わり」と思ったところから、また次の挑戦が始まる。その繰り返しが、私たちをより強く、より面白い人生へと導いてくれるのです。
勉強はつらいこと、面倒なことだと思いがち。
でも、ゲームだって最初はなかなかクリアできないからこそ、のめり込むし、乗り越えたときに達成感がある。
そう考えると、勉強を“人生最大のゲーム”だと思ってみるのも、悪くないのかもしれません。
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