「失敗したらどうしよう」「間違えたらどうしょう」「上手くいかなかったらどうしよう」と心配事で頭がいっぱいになり、最初の一歩が踏み出せない。そんな人がいます。
「まさに自分がその一人」と思った人。落ち込まなくても大丈夫です。
というのも、人はそもそも行動できなくて当たり前なのです。
不安や心配事はコレでほぼ解決できる

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遠い昔、人が生き延びるための最良の方法は、「行動しないこと」だったのです。
「どういうこと?」と思われるかもしれませんが、私たちは原始時代から危険なことにアンテナを張ることで改善策を見つけ出し、命を守ってきたのです。
- 森に入ったらティラノサウルスに襲われるかもしれない
- 林を歩けば蛇に噛まれるかもしれない
- 川に行ったらワニに攻撃されるかもしれない
行動することは、たえず「死と隣り合わせ」だったのです。
情報も同じです。命を守るためには、ポジティブな情報よりもネガティブな情報をキャッチする必要があります。
- 雨がしばらく降らなかったら米の収穫ができないから、貯水したほうがいい
- 台風で家が壊れるかもしれないから、補修したほうがいい
- 鳥が突然いなくなったら災害の予兆かもしれないから、対策を練る
そんな状況を解決する手段に、「心配事はノートに書く」という方法があります。頭のなかだけで心配していたことを、外に吐き出すだけでOK。
ノートに書き出してみると、失敗しても意外とたいしたことではないと気づき、原始時代からの深層心理に眠る「行動する恐怖」を払拭することができるのです。
例えば「独立したい」と思っていても、失敗したらどうしようと不安で動くことができない。不安要素が頭のなかで渦巻いている。そこで心配事をノートに書き出してみる。
そうすると
- 子どもの教育費 → 頭の中では心配していたけど、大学卒業まであと1年。来年からお金に余裕が生まれる
- 生活費 → 頭の中では心配していたけど、妻も働いている。事業に失敗してもパートで月10万円稼げれば何とかなる
- 家のローン → 頭の中では心配していたけど、支払えなければ家を売って、田舎に帰れば実家もある。農地もあるから何とかなる
心配で押しつぶされそうになっていたことが、書き出すことで思っていたよりも大きな問題ではないことに気がつくことができるのです。
一方で家のローンがあと10年も残っている、子どもがこれから高校と大学と6年間もある、親の介護で忙しいなど、厳しい現実も見えてきます。
そうなってしまっても、
- 「独立は息子が大学をあと1年で出ることになる5年後にしよう」
- 「それまでに、会計の知識を身につけよう」
- 「コミュニケーション能力を高めて人脈を広げよう」
- 「土日は独立に関連する副業をして欠点をなくしておこう」
など、今すぐ独立できなかったとしても、その準備に前向きに取り組むこともできるのです。
インド出身の実業家、サチン・チョードリー氏は、著書『頭で考える前に「やってみた」人が、うまくいく』(フォレスト出版)で、インドの大富豪たちが実践する成功法則の1つとして、次のスリーステップ法を紹介しています。
- ステップ1:「何をやりたいのか」を具体的に書き出す
- ステップ2: なぜ、それが今できていないかの理由を、できるだけ書き出す
- ステップ3: どのようにすれば、それができるようになるか書き出す
例えば、会社を辞めて、税理士になりたい夢があるなら…
- ステップ1: 税理士試験に合格して独立する
- ステップ2: (1)資格がない(2)資金がない(3)実務経験がない
- ステップ3: (1)専門学校に通う(2)毎月5万円を貯金する(3)会計事務所に転職する
スリーステップ法により、何をやりたいかが明確になります。
「なぜ今できていないのか」その解決策を書くことで、前に進むことができるのです。
いつまでも頭の中で「税理士になりたい」と、漠然と思っていても動けませんよね。
たとえ独立などの大きな問題ではなくても、日常的な業務で判断に迷ったときもノートに書き出すことで、もっと簡単に動き出すことができます。
たとえば、私は建設会社に勤めていますが、他県の新規工事を初めて受注しようか迷った場の中で「どうしよう、やろうかな、やめようかな」と思っていても、行動することができません。
そこで、まず「千葉県〇〇工事」とプロジェクトの名前をノートに書き出します。次にデメリットやメリットを書いて視覚化します。
- まったく新しい工事で、不確定要素があり利益が出るかわからない
- 千葉に協力会社がいないので、探すのが大変、協力会社が見つかっても、コスト高になる可能性がある
こんなふうに、頭の中にある不安を書き出していきます。
動けない原因を「見える化」したら、同時にメリットも考えます。
- 新たな工事にチャレンジをすることで新規開拓ができる
- 千葉に進出することによって、新たな発注者が生まれる
そうすることで、当社にとってとんでもないメリットがあることや、逆に会社の存続を脅かすデメリットが見つかるかもしれません。
さらに「見える化」することで、自分一人ではなく、多くの仲間と一緒に考えられることです。
総務担当の私だけではなく、企画室や、現場担当者、積算部、財務部など各部のスペシャリストたちの意見を聴くことができます。
一人の知見では、気づかなかったことにも気づくことができる。
一人ではなく、チームみんなの脳みそを使うことによって、リスクを少なく、新たな仕事を生み出すことができる。
頭の中で思っていたときは動けなかったことが、ノートに書き出し、視覚化することで間題点が明確になり、動き出すことができるようになるのです。
頭の中で悶々としていることが今あるなら、まずはいますぐペンを持ち、ノートに書き出してみましょう。
書くことで一気に視界が明るくなり、決断することができるようになります。
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