物価の上昇が続き、スーパーのレジ前でため息をつくことも増えた今日このごろ。そんな時代に生きる私たちにとって、「節約」はもはや当たり前の生活術になりました。
けれど、限られた家計の中でも、「これだけは削れない」と感じている支出があるはず。特に子育て中の家庭では、“我慢だけでは続かない現実”と日々向き合っているのではないでしょうか。
今回は、株式会社iTANが行った「節約しても削らない出費ランキング」の調査結果をもとに、今の子育て世帯が大切にしている出費と、無理せず節約を続けるための工夫を紐解いていきます。
「削れない出費」第1位は?我が子の未来に投資する親心が見えた結果に

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節約中でも「これだけは削れない出費」について尋ねたところ、堂々の第1位となったのは「教育費」(31.2%)でした。
このように考える理由として、「子どもの将来のため」(46.3%)や「子どもの教育や経験のため」(43.9%)という声が多いことがわかりました。
これは、単なる習い事や塾代だけではなく、「子どもが将来自分の力で生きていけるように」という親の願いが込められた、まさに“投資”といえる出費といえるでしょう。
そして2番目に多かったのが「食費」(26.9%)です。
日々の食卓は、家族の健康と心の安定を支えるもの。だからこそ、「削りたいけど削れない」と感じるかたが多いのも納得です。
そして、意外にも「レジャー費」(12.4%)が3位にランクインしています。
節約を意識した日常生活を送っていると我慢が多くなりがちな日々。そんな中、家族で過ごす非日常の時間が「心の栄養」になることを多くの家庭が実感しているようです。
「家族での思い出づくりのため」(18.0%)といった理由が挙がっているように、教育とはまた違う“経験”を重視する価値観がここに見え隠れしています。
「品質や信頼」といった回答が少数派ということから、“物の価値”よりも“誰のためか”という視点が重視されていることが伺えます。
ブランド志向よりも、家族のため、特に子どもの未来に目を向けている家庭が多数派であることがわかります。
削らない出費を支える「お得な工夫」

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では、削らない出費をできるだけ負担なく維持するために、日々どのような工夫をしているのでしょうか?
最も多かったのは、「クーポンやポイントを利用している」(61.8%)でした。続いて「セールやキャンペーンを利用している」(51.0%)「他の出費を見直している」(30.7%)が続いています。
限られた予算でも、手間をかけて“お得に賢く”やりくりしている姿勢が感じられます。
特に、参考情報源として「クーポンサイト・アプリ」(64.5%)がトップだったのも印象的。
時間が限られる子育て世帯にとって、効率よく使える情報源が重宝されている実態が見えてきます。
実際に削られた出費は?「食費」は家庭によって“分かれ道”

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一方、「実際に削った出費」では、1位が「食費」(44.5%)という結果に。
「削れない出費」でも上位にランクインしましたが、最も多くの家庭で削られている現実は、食の安全や栄養バランスを優先する家庭がある一方で、工夫して節約する家庭もあったりと、家庭ごとに事情や価値観が異なることを象徴しています。
他にも、「外食費」(43.8%)「日用品費」(28.4%)など、生活に密着した支出が上位に挙がっています。
出費を削った理由を聞いてみると、「我慢できるため」(35.4%)が一番多く、続いて「優先順位が低いため」(32.6%)「節約効果が大きいため」(29.2%)といった回答が多く見られました。
限られた予算の中で効率よくやりくりする意識を持ち、「無理のない範囲で削れるもの」が選ばれている傾向が見られました。
削ったけれど…戻した出費の理由は“ストレス”と“生活の質”

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節約で一度削った出費を「戻した」と答えた家庭は約2割で、約8割の家庭では節約を継続していることがわかりました。
節約をやめたと回答したその理由は、「ストレスが増えたため」(44.9%)が一番多く、「生活の質が下がったと感じたため」(33.7%)「自分・家族が不満を感じたため」(30.7%)といった回答が挙がっています。
自分自身や家族がストレスを感じてしまうのはもってのほか。無理をした結果、家庭全体に影響を及ぼすリスクもあるようです。
節約による“ストレス”は6割が実感。続けるために必要なのは「楽しさ」

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実際に、節約によるストレスを感じている人は約6割にまでのぼっています。
節約は、単に「お金を使わない」だけでなく、「精神的な我慢」もともなうもの。それでもうまく続けている人は、「お得感」や「ちょっとしたご褒美」を取り入れていることがわかりました。
「節約しながら満足感を得るために必要なもの」について聞いてみたところ、「お得な工夫(クーポン・ポイント活用など)」(58.7%)に続いて「小さな贅沢」(46.4%)「ご褒美や楽しみを設けること」(35.1%)といった回答が上位にランクインしています。
「節約=我慢」ではなく、「節約=上手なやりくり」と捉えることで、ストレスを和らげているようです。
まとめ
今回の調査から浮かび上がったのは、節約中でもゆずれない出費には「家族への思いが詰まっている」ということ。
特に子どもに関わる支出、教育や食、レジャーといった“未来”や“つながり”に関わる項目は、節約していても優先したいと感じる家庭が多数ありました。
一方で、節約によるストレスや生活の質の低下が、節約そのものの継続を難しくするケースも多く、ただ“我慢する”だけでは続かないことも明らかに。
だからこそ、「どこで削るか」だけでなく、「どう削るか」「どう楽しむか」が、節約生活を持続可能にするカギとなります。
節約をがんばる全ての家庭へ。「誰のための出費か」「何を守りたいのか」を大切にしながら、無理のない“自分たちらしいやりくり”を見つけていけたら、それが一番の家計防衛術なのかもしれません。
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