みなさん、こんにちは。カウンセリング(対話による治療法)と心理療法(心理学に基づいた治療法)を掛け合わせた「問題解決型のカウンセリング」をおこなっている前田泰章です。
嫌な出来事に遭遇すれば、だれでも「つらい」「苦しい」「悲しい」といったネガティブな感情になります。けれども、ふつう感情は長く続きません。徐々に薄れていくものです。
それなのに、ネガティブな感情が長く続いたり、何度も繰り返し襲ってきたりするのであれば、その原因は、「嫌な出来事」にあるのではありません。多くの場合、脳のなかでつくり上げた「イメージ」に原因があるのです。きょうは、長続きするネガティブなイメージを払しょくするための方法についてお話します。
感情が生まれるプロセス
たとえば、学生時代、告白して失恋した思い出が、青春のキラキラしたイメージとして記憶されていれば、思い出しても嫌な感情は起こらないでしょう。
逆に、胸がきゅんとしたり、温かい気持ちになったり、ポジティブな感情になると思います。けれども、同じ失恋した思い出が、暗いどんよりした映像としてイメージされていたらどうでしょう。「つらい」「悲しい」という感情が沸き起こりますよね。
このように、感情は「出来事→イメージ→感情」というプロセスで生まれ、どのような感情が生まれるかは、イメージに左右されます。そのため、感情を無理に変えようとしてもうまくいきません。
イメージを書き換える「NLP」とは?
そこで、マイナスなイメージをプラスのイメージに変換することで、感情をコントロールしようというのが「イメージ療法」です。ここでのイメージ療法の基になっているのが「NLP」です。
NLPとは、「Neuro Linguistic Programing」の頭文字からつけられた名前で、日本語では「神経言語プログラミング」とよばれます。1970年代にカリフォルニア大学に在籍していた、リチャード・バンドラーとジョン・グリンダーによって提唱された心理療法です。
NLPは、人の思考・行動パターンを変化させることで、感情のコントロールのほか、コミュニケーション力や目標達成力を高めたり、ビジョンの発見を助けたりする効果があるといわれています。
これは実際に、さまざまなスポーツ選手や世界的なビジネスマンが実践している手法。では、NLPを複合的に使った事例をここで1つご紹介しましょう。