「複合的NLP」を実践したBさんの事例
NLPは、いくつかの手法を複合的に利用しても効果があります。Bさんの事例をご紹介します。
Bさんは、自分が経験したことではないにもかかわらず、2011年3月11日に起きた東北大震災の映像を思い出すと怖くて涙が止まらなくなるので困っていました。そこで私は、次のような手順でNLPを使ったイメージ療法を行ってもらいました。
(1)頭のうえにスクリーンを思い浮かべ、そのスクリーンに津波のシーンを映し出してもらいます。それを映画のワンシーンとして自分が見ているとイメージし、当事者から傍観者へとイメージを変換します。
(2)海の水がすべて流れて、更地になったところをイメージしてもらいます。そこに、花咲かじいさんがやってきて桜の種を大量にまきます。すると、たくさんの芽が出て成長し、立派な桜の木になります。
(3)桜が満開になって、スクリーンは桜のピンクでいっぱいになります。そのスクリーンをどんどん大きくしていきます。桜のほのかな香りも感じます。
(4)桜の木のまわりに小鳥や動物が集まってくる様子をイメージします。小鳥が枝に止まって、ちゅんちゅんとかわいらしい鳴き声を聞かせてくれます。桜の木の根元には猫が気持ちよさそうに日向ぼっこしています。そこにうさぎがぴょんぴょんとはねてきます。
(5)画面からかわいい猫が飛び出してきます。その猫を抱っこしてあげて、そのふわふわのやわらかい感触を感じます。
私が声かけ(ナビゲート)しながら、怖いイメージをどんどん明るく楽しいイメージに変換させていくことで、Bさんの気持ちは、その場で楽になっていきました。また、このようなイメージ療法を繰り返すことで、震災の映像を思い出すこともなくなりました。NLPはこのように、長続きするネガティブなイメージを払しょくするためにも効果的ですよ。
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