整理収納作業をはじめ、イベントやセミナーの講演やキッチンショールームでの収納コーディネートなどを行なっている整理収納アドバイザーの岩佐です。
夫婦や家族、友人など、誰かと一緒に暮らしていると、さまざまな面で思うようにいかないことはよくあります。
そのなかの一つに「片付け」が入っているケースも多いのではないでしょうか。
部屋が散らかっていることで、「どうして物を戻してくれないの?」「ちゃんと片付けてよ」「早く片付けなさい」など、言われる側も、日々言っている自分にもイヤになりますよね。
そこで今回は、夫婦円満や家族仲が良好になる片付け術をご紹介します。
片付けは夫婦仲や家族仲にも影響があるのか?
片付けは、夫婦仲や家族仲にも影響があるのでしょうか?
最初は、片付けが苦手なパートナーという認識かもしれません。それが次第に、片付けができない→片付け以外のことも気になりだす→相手の人格も否定するようになる→相手のことがイヤになるというふうに、片付けは夫婦仲や家族仲にも影響を及ぼします。逆に、片付けがよい影響を与えることもあるのです。
「部屋の乱れは心の乱れ」とはよく言いますが、部屋が乱れた状態で家族が暮らしていれば、心の状態とリンクしているので、互いにイライラしたり、口喧嘩が増えたりとどんどん負のスパイラルに陥る可能性もあります。
夫婦仲、家族仲が良好になるポイント5つ
ただ、整理収納のHow toを相手に知ってもらえればすぐにうまくいくというわけではありません。ここからは、夫婦仲、家族仲が良好になるポイントをご紹介します。
1.相手の物は勝手に「捨てない、動かさない」
家族の使っていない物がたくさんあってどうにかしてほしい…。そんなお悩みを抱えている方は少なくありません。
だからといって、家族の見ていないところで相手の物を勝手に捨てたり動かすのは厳禁です。勝手に行うことで、「片付けが苦手」という意識から「だから片付けは嫌い」というように苦手意識から嫌いな行為に変わってしまいます。
嫌いになってから人の意識を変えようとするのは大変です。苦手であればまだ聞く耳をもってくれるチャンスがあります。
2.「興味をもってもらう」ことからスタート
いきなり物の処分を求めるのではなく、まずは興味をもってもらわないことには始まりません。興味の持たせ方はさまざまですが、たとえば、下記のような興味の持たせ方もおすすめです。
夫の着ていない衣類があるとします。このとき、主人に「最近私の服が増えてきたんだけど、この近くで服が売れるいいお店知らない?」と、相談するのもおすすめです。
お店のアドバイスがもらえたら感謝し、探してくれたついでに「もしも着ない服があれば一緒に持っていかない?」と会話しながら自然と整理に興味を持ってもらうのも一つです。
これは一例ですが、興味を持ってくれそうな会話をするのがポイントです。
3.小さなことから「気づき」を与える
使わない物を手放すことは整理には重要なポイントです。ただ、苦手な人はそれよりも重要なことがあります。それが「気づき」です。
たとえば、誰かにあの人とは別れた方がいいと言われてすぐに別れられるでしょうか。自分自身で気づかない限り、難しいものですよね。
片付けも同じです。ただ「片づけてよ」と人から言われた片付けは難しいのです。
我が家では以前、主人が買ってきた調味料を最後まで使い切れないということがよくありました。使い切れたときには、「今回使い切れたよね!これはリピートだね」などと会話をしながら、逆に使い切れない調味料は過去にどんなものがあったかを話を広げていきました。
会話をすることでそのことが頭に残っていたのか、買い物の際に「この手の調味料は使い切れないから買わないでおこう」と主人の意識が変わったのを覚えています。自ら気づきが得られるような会話をしていくのもおすすめです。
この5つを実際に試したことで、最初は片付けに全く興味のなかった主人が整理収納に興味を示すようになりました。
4.子どもにパートナーのダメな部分を言わない
もしも、パパ(ママ)の不満が口から出そうになっても、そこはグッとこらえましょう。
子どもは家族のそういう話は聞きたくないでしょうし、言われていることを知った本人は余計片付けにイヤなイメージを持ってしまいます。
5.「すぐには変わらない」という気持ちも大切
すぐに現状が変化しないことに、こちら側がイライラしていては言い争いに発展しまうことも。
こちら側の精神衛生を考えて、人の意識をすぐには変えられないということも頭に入れておけば、がっかりしたり、「我が家にはムリ」と落ち込むこともなくなります。
決して気負わず「うちだけではない、どの家も一緒」と、よい意味で楽観視しながら進めていきましょう。