非難や批判の矛先は「自分」
「非難や批判は自分のなかにあるものをただ外に投影しているだけ」なのです。
言い方を換えると「非難や批判をしているとき、それは『何から何まで全部自分』に対して言っていること」になります。
ただ、まだ多くの人たちがこの事実に気づいていません。なぜなら「何かや誰かにぶつけていることが、自分のなかにある」「それはほかならない自分のことである」ということは、認めたくないことでもあるからです。
これらは「瞬時」に、自分がそれをしていることにまったく気づかないほど「一瞬」にして、意識の水面下で行なわれるのですが、「この自分にとって危機的な状態」から「安心できる状態を創り出すためにはどうしたらいいだろうか?」となったとき、先ほどもお話したように、それを自分のものとして受け入れることができなければ、「外に向けるしかなくなる」のです。
それが非難や批判の「正体」です。結局、多くは「自分のなかにある闇や影」を認めたくないので、何かや誰かといった外に投影して自分を守る、「自己防衛反応」なのです。
たとえ、非難や批判を表現しなかったとしても、それが自分のなかにあるのに気づいたら、「まさにいま」それを手放すチャンスです。「もっとこうすればいいのに…」「こうすればもっと効率よくできるじゃない!」「なんでやらないんだろう?」って言いたくなるようなこともあるかもしれません。
でもこうしたときこそ、自分のなかにもあるものなんだと自分に意識を向け直し「私が徹底してそれをやろう!」と、「あなたが相手に言ってやりたいことを、自分が徹底的にする」のです。
そうすると「人(外・現実)は鏡」なので、あるとき「何でこうできないんだろう…」と悲しみや苛立ちを感じていた人が、少しずつ、あるいは急激に変わり始めたりするわけです。
この「落とし穴のような構造に気づけるかどうか」が、とても大事なポイントになるといえるでしょう。
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