みなさんこんにちは、コミュニケーションの講師の山本衣奈子です。
今回は、「つい過去に言われた嫌なことなどを思い出してしまいます」というご相談にお答えしました。
毎日をもっと元気に、もっと楽しく、もっと笑顔にするために、きょうも「コミュニケーションのツボ」を学んでいきましょう。
その人に会うたびに嫌な記憶が蘇る理由
行動や言葉というのは、やったほう・言ったほうは案外覚えておらず、やられたほう・言われたほうはずっと覚えていたりするものです。特に、発信側が意図せず、なんとなくやったことや言ったことであればなおさら。
それは決して嫌なことばかりとは限らず、いいことや嬉しいこともあるのですが、どちらかと言うと嫌な記憶のほうがしつこくこびりつきやすいですよね。
さらに厄介なことに、そここびりついたものは、その後その人に会うたびに存在感を主張し始めます。
その顔、その姿と、過去の言葉や経験がリンクして、せっかく忘れかけていたことまで鮮明に思い出してしまったり…。
「もうさんざん謝ったじゃん」とか、「あのころの自分はどうかしていたんだよね」とか、「過ぎたことをそんなにずっと言われても」とか、いろんなことを相手は言いますし、たしかにそうだなと頭では思うところもあったりもしますが、心にこびりついたものは、そうそう消えてくれるものでもありません。
「でもあのときたしかにああ言った(あんなことをした)」。これがことあるごとに頭の中で暴れまわり、素直にその人と向き合えなくさせてしまいます。
「もう忘れよう」「もう考えないようにしよう」そうすればするほど、悪循環に陥ります。
心理学で「思考抑制」と呼ばれる、考えることを避けようとするがために、かえって考えることが強化されるという現象があります。
意識しないようにと意識することで、かえって強く意識してしまうということですね。ただでさえ考えたくないのに、強化してしまうなんて残念すぎますね…。
とはいえ、過去は過去だと割り切りましょう!…なんて、言うは易く、行うは難しの典型ですよね。さっそく、そういう嫌な記憶とリンクしてしまう人への対処法をご紹介します。