みなさんこんにちは、コミュニケーション講師の山本衣奈子です。
きょうは、「相手との距離がなかなか縮まらない」というお悩みに答えました。
相手との距離がなかなか縮まらない
決して仲が悪いわけではなく、お互いに嫌い合っているわけでもない。会えばそれなりに会話もするし、それはそれでそれなりに盛り上がる。
でも、なぜかいつも表面上の会話だけで終わってしまいやすく、一歩踏み込んだ話にはなりにくい。
その分、いつも少々距離感を感じるし、いつもどこか他人行儀だし、なかなか物理的にも精神的にも距離が縮まっていかない。
あえてそういう距離感を選んでいるのではない場合、この“微妙な距離感”に悩む人は結構いらっしゃいます。
その原因となっているものとしては、要因がさまざま考えられますが、主なものに下記のようなものがあげられます。
- 遠慮
- 警戒
- 言葉遣い
それぞれもう少し詳しく考えてみましょう。
1.「失礼かな…」と遠慮してしまう
「相手に悪い」という気持ちのことです。
「こんなこと言ったら失礼かな…」「こんなこと聞かれても困るかな…」
相手に対する思いやりでもあるのですが、こういう気持ちが強すぎると、口にしない(できない)言葉がどんどん増えていきます。
ちょっと突っ込んだ話をするにも遠慮が先立ってしまうと、どうしても終始表面的な会話をするしかなくなるのです。
遠慮自体が悪いわけではありませんが、距離を縮めたいのであれば、これは阻害要因になってしまいます。
どうしても遠慮しがちというかたは、“前置き”をうまく活用してみてください。
「ちょっと変なこと聞いていい?」
「もしおかしなこと言ってたら申し訳ないのだけれど」
「嫌だったら無理に答えなくてもいいのだけど」
など。気になっているという気持ちをあえてきちんと伝えることで、距離感も自然に縮めていくきっかけとなります。
2.「本音は語らないでおこう…」警戒
まだ相手のことをよく知らないために警戒心が抜けきらず、本音や本心を伝えることに躊躇してしまうということ。
警戒する→本音を語らない→何を考えているのかがわかりにくい→相手の警戒心が強まる→お互いに距離感を持って接する
警戒はそういった悪循環を生みやすくさせてしまいます。
相手のことを知らないから本音で話さないというのでは、いつまで経っても「知らない」ままとなり、距離感は縮まりようがありません。
多少の警戒心があったとしても少しずつでもいいので、本音や本心を出していく。
熱いお風呂に冷えた身体でいきなり入るのはためらわれますが、足先からゆっくり順番に入っていくと、そのうち全身浸かることができ、さらにその温度に慣れて心地よさを感じるようになるものです。
強すぎる警戒心は距離感を広げます。近づきたい相手であるならなおさら、少しずつ、ひとつずつでいいので、心を開くことを意識してみましょう。
3.「同じ」を意識した言葉遣い
相手との距離感を縮めたいのであれば、なるべく「相手と同じ言葉」を使うことを大事にしてみましょう。
同じものでも、人によってそれを表現する言葉は少し違っていたりするものです。たとえば、
「PC」と言うのか「パソコン」と言うのか。「朝食」と言うのか「朝ごはん」と言うのか。「メンバー」と言うのか「仲間」と言うのか。「友人」と言うのか「友達」と言うのか。
挙げればキリがありませんが、少し違った言い方がたくさんあります。
距離を縮めたい相手との会話においては、相手がどの言葉で表現するかにしっかり意識を持ち、なるべく同じ言葉を使うようにすると、「共通意識」が芽生えやすくなります。
たとえば、
「昨日、またミーティングがあったんです」
「そちらも再度の会議ですか、最近多いですよね」
など、何気なくとはいえ言い方を変えてしまうよりも、
「昨日、またミーティングがあったんです」
「そちらもまたミーティングですか、最近多いですよね」
のほうが、会話の引っ掛かりがなくスムーズになります。
そのスムーズさによる心地よさが、距離感を縮める大きな要素でもあります。相手の使う“言葉”にもっと注目して話すようにしてみましょう。
「距離感が縮まらない」と思うとき、その多くは、「縮まらない」のではなく、「縮めようとしていない」ことが大きな原因となっています。
少しだけ気持ちの置き方を変えて、なかよくなりたい人となかよくなっていくためのことを積極的にやっていきましょう!
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