こんにちは。韓国在住歴3年、日本語教師でライターのHAZUKIです。Webメディア「by them」で、韓国の今を切り取り、生の情報をお届けしています。
韓国の新型コロナウイルス感染者数急上昇についてはもう知っているかたも多いかもしれませんね。筆者の友人や家族からも心配のメッセージが届きました。
きょうは現在の韓国の新型コロナウルイス感染者数急上昇の背景や、それに対する政府の対策についてお話します。
なぜ韓国の国内感染者数は増えてしまったのか?
まず韓国の感染者数ですが、2021年12月16日午後2時30分時点の国内感染者数は、6,982人です。なお、同時間の日本は175人と表示されています(参考:daum.net/NHK)。
日本の国土は韓国の4倍、人口は2.4倍多いので、それを加味するとかなりの差があることがわかるでしょう。
コロナ発生初期は、韓国の防疫体制の徹底ぶりは世界からの関心を集めたのにも関わらず、いまはなぜこのような状況になっているのでしょうか?
やはり、何といっても「Withコロナ」が大きく影響していると考えます。
Withコロナの影響
韓国は、2021年の11月1日から「Withコロナ」への移行を進めました。これは経済活動の活発化を期待して始めた政策。読売新聞を参考に一部内容をご紹介すると、
- ソウルなど首都圏では、午後10時までとしていた飲食店などの店内営業時間の制限が撤廃
- 家族や友人の集まりは、人数制限が8人から最大10人に緩和
- 遊興施設(クラブ、カラオケ等)では、ワクチンパスポート(接種証明書)を試験導入し、利用可能に
などがあります。
この影響でいままで我慢に我慢を重ねてきた人たちが羽を伸ばし、油断したことで、ここまでの感染者数を生み出してしまったということが挙げられます。
また、意外にニュースに取り上げられる機会が少ないのですが、Withコロナにより「宗教的な活動」が以前のようにできるようになったことも少なからず要因のひとつになっています。
韓国はキリスト教信者が多く、多くの信者が日曜日には必ず礼拝します。教会には多種多様な人たちが大勢集まるので、もしそこに一人でも感染者がいれば取り返しのつかないようなことになってしまいます。
12月9日には、新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン株」に感染した牧師の妻が、韓国に帰国した際に知人の車で移動したにもかかわらず、「感染対策が施されたタクシーを利用した」と虚偽の説明をしたとして、地元自治体に告発されました(参考:TBSニュース)。
教会の関係者がみんな防疫規律を守らない、なんてことはもちろんありませんが、このようにあまりにも教会関係の事件が目立って発生することから、現在韓国国内の教会関係者は非常に肩身の狭い思いをしているそうです。
韓国の政策
では、このような状況を受けて、韓国政府はどのような対策を行っているのでしょうか。
まず、12月15日に「Withコロナ」を撤回。再び飲食店には時間短縮要請がかかり、今回は午後9時までの営業になりました。
Withコロナが始まったことから、「今年はやっと忘年会ができる!」と喜んでいた生徒さんも多くいましたが、多くの送別会がキャンセルされただろうと予想できます。飲食店の立場で考えたら、胸が痛いですね。
また、12月13日から施設に入る際の「防疫パス」を義務化しました(参考:聯合ニュース)。この防疫パスはワクチンを接種した人のみに許可され、ワクチン未接種者は、PCR検査結果の証明を提示することが義務になります。
※飲食店とカフェはワクチンの未接種者1人が利用する場合は、陰性証明書の提示は求められません。
防疫パスの提示方法はいくつかありますが、最も一般的なのはカカオトークからQRチェックインを出す方法です。
ここをクリックして、パスを提示します。この方法について詳しく書こうと思ったのですが、このQRチェックインはスクリーンショットできない設定になっていました。当然と言えば当然ですが、かなりの徹底ぶりですね。
以上が、現在の韓国のコロナ事情です。筆者の生徒さんたちは「日本は感染者数がかなり少ないが、どのような理由があるのですか?」とよく聞かれます。はやく新型コロナ以前の生活に戻れるよう、マスクや手洗いなどを、個人個人で徹底していきましょう。
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