こんにちは、子育て絵本アドバイザーの山口りかです。
クリスマスはキリスト教の行事なので、欧米が原作のクリスマス絵本は多いですよね。外国の文化を疑似体験できるのは、外国の絵本のよさのひとつです。
英語を学ぶことも大切ですが、外国の絵本は読んでもらうだけで、絵と言葉で英語圏の文化を疑似体験できます。
イギリス文化の疑似体験と自己受容感を育む、一石二鳥のクリスマス絵本を紹介します。
『さむがりやのサンタ』
- レイモンド・ブリッグズ (作・絵)、すがはら ひろくに (訳)
- 1974年10月25日
- 福音館書店
- Amazon詳細ページ
内容紹介<Amazonより>
「やれやれまたクリスマスか!」
面倒くさそうに目を覚ましたのは、サンタクロース。
寒さに愚痴をいい、煙突に文句をいいながら町の子どもたちにプレゼントを配ります。
南の島に憧れながら、一日の仕事をおえると、お風呂にはいり、ビールを一杯飲んで、ごちそうを楽しみます。
トナカイたちにおいしいえさをあげることも忘れていません。
皮肉屋だけど実はやさしい、人間味あふれるサンタクロースを描いたクリスマスにぴったりの絵本です。
子育て中の親御さんから、毎日のようにリモートでご相談を受けています。
内容はさまざまなのですが、共通しているのは、「完ぺきにできないことに怒りを感じている」ということです。
たとえば、
- 朝起きたり、ご飯を食べたり、宿題をするのを完璧にできない子どもに対する怒り
- 育児や家事の協力を完璧にできない配偶者への怒り
- 仕事や家事や計画したことを完璧にできない自分に対する怒り
このように、自分や他人に対して、無意識に「完ぺきが当たり前」と思っている人は多いようです。だから、落ち度があると、それを攻撃する人も多いのかもしれません。
悩みを聞いた後で、私は、相談者へ「私たちは人間だから、完ぺきにできないのは当たり前なんですよ~」と伝えています。
そして、嫌だと思ったり、不満と感じたときに我慢するよりも、言葉に出したほうが気持ちが軽くなることも伝えています。
では、サンタクロースに対して、私たちはどのようなイメージを持っているでしょうか。人格者で優しいおじいさんと感じている人は多いのではないでしょうか。でも、サンタクロースも人間なのです。
絵本『さむがりやのサンタ』は、12月24日のサンタの1日が描かれています。それは、神格化した姿ではなく、仕事熱心なイギリス男性という感じです。
朝起きて準備をし、プレゼント配り、帰宅して、お風呂に入り、食事をして眠るサンタさん。愚痴も文句も言うけど、嬉しい気持ちも話します。
自分に正直な人間らしいサンタさんの姿、イギリスの家や生活が、コマ割りの絵で描かれています。
このサンタさんに子どものころから接していると、「自分もありのままでOK!」と、自己受容感を持ち、自然に自己肯定感の高い人になる可能性が高くなるでしょう。
私の家には30冊以上のクリスマス絵本がありますが、大学4年生の長女も、高校2年生の次女も、クリスマスのおすすめの1冊にこの絵本を選びました。ぜひ親子で読んでくださいね。
子育てワンポイントアドバイス
『さむがりやのサンタ』は、このような人に特におすすめします。
- 親子で、イギリス文化を身近に感じたい人
- 親子で、「理想の状態でなければ自己嫌悪になる」癖を手放したい人
- 親子で、「ありのままの自分でOK」と自己受容感をもっと持ちたい人
- image by:Unsplash
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