こんにちは、子育て絵本アドバイザーの山口りかです。
グローバル化が進むと、英語が必須だと思う親御さんは多いようです。
もちろん、英語や外国の文化を学ぶことは大切。そしてそれと同じくらい大切なのは、日本の文化や風習を理解し、外国の人へ紹介する力です。
この時期になると、登場するのは干支(えと)の動物。今年、2022年は寅年ですよね。
干支の動物は、12種類です。では、どうやって十二支は選ばれたのでしょうか。それを教えてくれる絵本をご紹介します。
『十二支のはじまり』
- 岩崎 京子(著)、二俣 英五郎(イラスト)
- 1997年11月1日
- 教育画劇
- Amazon詳細ページ
内容紹介<Amazonより>
昔、ある年の暮れ、神さまが動物たちにおふれを出したんだと。
「正月の朝、ごてんに来るように。来たものから順に12ばんまで、その年の大将にする」
ところが、ねずみは猫にうそを教えて…。
『十二支のはじまり』の絵本は、何冊も出版されています。タイトルも『十二支のはじまり』が多いです。
あらすじは次のように、大体同じ。
ある年の暮れに、神様が動物たちにおふれを出します。正月の朝、神様の家にあいさつに来た動物のうち1番から12番目までを順番に、1年間その年の代表にするということです。動物たちは喜び、出発します。そして、1番から12番までの動物が決まりました。
神様の家に行く日にちを忘れた猫は、年末にネズミに尋ねると、ネズミは1日遅れの「1月2日」と教えました。
2日に神様の家へ行った猫は、ネズミに騙されたことを知りました。それ以来、猫はネズミを追いかけるようになりました。
『十二支のはじまり』の絵本のあらすじは、こんな感じです。絵本によって違うのは、主に動物たちが神様の家へ行くまでの道のりやゴールする様子です。
私は、何冊かの『十二支のはじまり』の絵本を持っています。
そのなかで今回ご紹介する教育画劇出版、岩崎 京子さん著、二俣 英五郎さんイラストの絵本の素晴らしい点を3つご紹介します。
1.絵でも物語が描かれていること
絵本は、「絵」と「文章」の相乗効果。だから、「絵」でも物語が描かれていることが重要です。
この絵本は、表紙→中表紙→本文→裏表紙で、ひとつの物語が描かれています。
特に、中表紙で眠っている猫の横をこっそりと通り過ぎようとしているネズミの表情と、裏表紙の9番目から12番目の動物が猫を眺め、猫のきまずい表情は秀逸です。
このように絵でも物語が描かれている絵本を読むと、相手の表情やふるまいで、気持ちや考えを察する気の利いた人になるかもしれません。
2.動物たちの会話
自分や他者の特徴を知って行動しながらの会話は、読んでいる私たちに学びがあります。
たとえば、前日の夜から出発している牛は、「自分はのろいから、いまから行けばちょうどええ」。
「わしは、地面をごそごそするのは、ごめんだね」と龍。
「みんなの通る道はふんづけられそうでいやだ。でも、くもはもっと おっかねえ」と、一緒に雲で行こうと龍に誘われた蛇。
犬とサルがけんかをしながら進んでいるときに、「正月早々けんかするな」とにわとりが伝え、2匹の間に入って、神様の家に到着。
などです。
3.十二支の順番が絵と文で終わりのほうに紹介されている
どの本も物語のなかで到着の順番が語られていますが、さらに終わりのほうで、十二支の順番が書かれている絵本は少ないようです。
この絵本は、絵と文で終わりのほうに十二支の順番が紹介されていますので、読んでいるとイメージと言葉の両方で十二支を覚えることができます。
余談ですが、日本以外の国にも十二支はありますが、十二匹の動物の種類は違っています。中国と台湾は、猪ではなく豚です。
中国と台湾の表記は「猪」ですが、「日本の【猪】は【野猪】」と表記され、日本の【豚】は【猪】」と表記されます。
中国や台湾では、豚は豊かさの象徴だそうです。チベット、タイ、ベトナム、ベラルーシは、ウサギではなく、ネコです。
このように、『十二支のはじまり』を読み、外国の十二支を調べると、親子の楽しい時間を過ごしながら、日本と海外の文化を学ぶこともできますよね!
子育てワンポイントアドバイス
『十二支のはじまり?』は、このような人に特におすすめします。
- 自分の特徴を知って対策を立てて行動する力を身につけたい人
- 自分の気持ちや気遣いの会話を身につけたい人
- 国際人として語れる日本の教養を親子で知りたい人
- image by:Unsplash
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