こんにちは、子育て絵本アドバイザーの山口りかです。
お正月だけ食べるという食品って、結構ありますよね。代表的な食べ物は、「お餅」ではないでしょうか。
きょうは、お餅が主人公の絵本をご紹介します。
『おもちのきもち』
- かがくいひろし
- 2005年12月17日
- 講談社
- 第27回講談社絵本新人賞受賞作
- Amazon詳細ページ
内容紹介<Amazonより>
「もう、たいへんなんです」
お正月、“かがみもち”は、とある決心を……。
お年賀にどうぞ。(編集部より)
私たち親は、「人の気持ちを考えなさい」と、子どもへ言ってしまうことがありますよね。では他人の気持ちを考えるには、どうしたらよいのでしょうか。
そのヒントになるのは、『おもちのきもち』です。
何度も頭を叩かれたお餅は、鏡餅になって飾られました。でも、「いつか食べられてしまう」と悩み、逃げ出し、自分を味見してしまいます。そして、全く違う形になってしまいます。
それをみた村人の1人が、「どうしてこんな形になったのかな?」と話すと、もう一人の村人が、「お餅に聞いてみないとわからないよね」という趣旨のことを言います。この部分が、とても重要なのです。
私は、子育て中の親御さんからご相談を受けた際に、「お子さんに聞いてみてください」と、答えることがとても多いです。
家庭でのコミュニケーションは、子どものコミュニケーションの能力の基礎になります。
すねるなどのネガティブな態度や「どうせ、○○なのよね?」というネガティブな質問で、他人をコントロールすることを避けることは大切です。
そして、自分の気持ちや要望を言葉で伝えたり、わからないことはわかる人に適切な言葉で質問をしたりするなど、言葉でコミュニケーションをすることが重要です。
『おもちのきもち』の作者、かがくいひろしさんは、2009年に亡くなられましたが、生前インタビューでこのように答えています。
絵本を読む子どもたちには、笑っていてほしいと思っています(笑えなくても心の中で)。そして、その絵本を一緒に読んでいる大人の人も。
笑いは、たとえそのとき一瞬であっても、生きるパワーを与えられるということを聞いたことがあります。かがくいひろしさんの絵本は、擬人化された登場人物が、人間以上に楽しい行動をするのが特徴です。
『おもちのきもち』の主人公のおもちも、ユニークなふるまいをします。
ただ、中表紙のもち米を蒸す絵、物語のはじまりのお餅をついて伸ばして丸める場面は、せいろや臼や杵を使った本格的な餅つきなのです。
このように、絵本を1冊読むだけで、いくつものことを得られます。
毎年、「年末から年始にかけて、お餅を食べる時期に読み返しています」という人が多い絵本です。
子育てワンポイントアドバイス
『おもちのきもち』は、このような人に特におすすめします。
- 本格的なお餅の作り方を絵本でみたい人
- 笑いながらコミュニケーション能力を身に付けたい人
- 親子で笑って生きるパワーを満タンにしたい人
- image by:Unsplash
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