こんにちは。韓国在住7年目、日本語教師でライターのHAZUKIです。在韓ならではの生きた韓国情報をお届けします。
さて、今回は韓国の引っ越しの挨拶についてお話しします。「韓国って引っ越しの挨拶をするの?」という気になるマナーについて、リアルな韓国活を交えてご紹介しますね。
韓国も引っ越しの挨拶はある

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「韓国では引っ越しの挨拶ってするの?」とよく聞かれるのですが、答えは「一応ある」です。
昔は、引っ越しをするときにお餅を持って近所に挨拶するのが般的でした。お餅を配る理由は、「餅のようにご近所とも仲良くくっつきますように」という意味があるようです。
韓国では、大学試験の前にも餅を配る文化があり(餅のように粘り強くくっつく=合格できるという意味)餅が文化のひとつになっているなと感じます。
しかし最近は…
しかし最近では、引っ越しの挨拶をする人はぐっと減りました。
理由はいくつかありますが、一番大きいのは住居環境の変化でしょう。いまや韓国の住宅の多くはマンションやオフィステルになり、昔ほどご近所付き合いを重視しなくなったんです。
それに加えて、契約化も関係しています。韓国では最近は家の値段が急騰しすぎていることもあり、買うのではなく、チョンセ(家主に一定金額を保証金として預けて、1年~2年の賃貸借契約後に使用する制度)やウォルセ(1年~2年の賃貸借契約後、所定の保証金を支払い、毎月使用料を支払う制度)といった賃貸契約が般的です。
契約期間が終わればすぐに引っ越す人が多く、「どうせすぐ出ていくのに挨拶する必要ある?」と思う人も増えてきたとか。
引っ越しのマナーってあるの?

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筆者は「韓国の引っ越しマナー」と聞かれて特に思いつくことがなかったので、韓国の知り合いに聞いてみましたが、答えは「特にない」でした。
最近では引っ越しの挨拶をする人も少ないですし、むしろ「知らない人からもらったものなんて受け取れない」という意見も。
実際、SNSでは「引っ越しの挨拶はむしろ迷惑」なんて話題もありました。特に都市部では、プライバシー重視の傾向が強く、ご近所づきあいを迷惑に感じる人も多いようです。
必要な手続きや連絡は、引っ越し業者がすべてしてくれるので、個人ですることは特になさそうです。
「引っ越しパーティー」は必須!
韓国では引っ越すと「チプトゥリ」という引っ越しパーティーを開くことが多いです。
チプトゥリとは、家族や友人を招き、料理をふるまい(最近は専ら出前ですが)、新居をお披露するイベント。
招かれたゲストは、洗剤やトイレットペーパーなど、縁起がいいとされるプレゼントを持っていくことが一般的です。
最初は「そんなプレゼントでいいの?」と思いましたが、逆にいいものは気を遣わせてしまうので、これぐらいがちょうどいいそう。
韓国の引っ越しマナーは、ここ数年でガラリと変わってきてしまったようです。下宿やアパートに住むなど大家さんと頻繁にやり取りをする場合なら、お餅をもっていくと「外国人なのに韓国の文化に詳しいね」と喜ばれるかもしれませんね。
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