職場での上司との関係は、社員の仕事のやりがいやモチベーションに大きな影響を与えますが、実際、部下を疲れさせる上司が存在し、その行動が職場環境や業務効率に深刻な悪影響を及ぼすことがあるようです。
株式会社エミリスが実施した「部下を疲れさせる上司に関する意識調査」によると、多くの社員が上司の特定の行動により、多くの部下がストレスや疲労を感じていることが明らかになりました。そこで今回は、調査結果を基に部下を疲れさせる上司の特徴やその影響、そして部下が求める理想的な上司像について考察していきます。
自覚なしにやっているかも?部下を疲れさせる上司の特徴
「部下を疲れさせる上司の特徴は?」という質問に対して、「指示があいまい(21.2%)」という意見が一番多く、次いで「一貫性がない(19.8%)」「仕事をしない(19.2%)」「感情を表に出す(18.8%)」という結果になりました。
自分自身では自覚がなくても、部下からしたらこのように思われているなんてこともあるかもしれません。仕事をするうえで上司と部下の関係はとても大事。ではどのようにコミュニケーションを図ればいいのでしょうか?回答者の実際の声を聞いてみましょう。
7位 細かい
「マイクロマネジメントが行き過ぎている。気にかけすぎ・心配しすぎで、部下に束縛感を与えていることに気が付かない上司」(30代 男性)
「部下の仕事に細かく干渉しすぎる上司です。部下の自主性や創造性を奪いますし、ストレスも増大させます」(40代 男性)
1位には「指示があいまい」がランクインしていますが、「細かすぎる」上司にもストレスを感じる方がいるようです。なかには「いつも上司から監視されているように感じる」という意見もあったほど。
部下へ指示する際や指導する際には、曖昧すぎず細かすぎずなちょうどいい塩梅でできれば、部下との良い関係を築けるかもしれません。
6位 威圧的な言動
「大声で指示出しをする」(20代 女性)
「常にノルマ達成を要求されて、達成できなければ『給料泥棒が』と罵声を受けます」(40代 男性)
大声を出したりひどい言葉を浴びせられると、部下に限らず人は緊張やストレスを感じてしまいます。間違いがあれば注意したり、目標達成のためには厳しい指導も必要かもしれませんが、どのように伝えるかをしっかり考えることが大事ですね。
5位 部下を認めない
「ずっと部下を見張っていて、自分のやり方じゃないと納得しない上司」(20代 女性)
「自分の考えが一番正しいと思っており、押し付けてくる上司は疲れる。目的に達するまでにはいろいろな方法があると思うが、『他の先輩に聞いたことは違う』と言って、自分の考えを押し付けてくる」(30代 男性)
部下が出した結果や成果を認めないパターンと、仕事の過程で部下の創意工夫を認めないパターンの上司に不満を感じ、モチベーションが下がってしまった人も。上司の非効率な古いやり方を押し付けられ、「自分のやり方でやったほうが早いのに」と納得感がなく疲れを感じてしまいます。
4位 感情を表に出す
「常にイライラしている雰囲気で、ひとつ報告するだけでもタイミングを見計らう必要がある上司。かなり部下を疲れさせると思います」(20代 男性)
「間違いを指摘するとき、感情を込めすぎる上司」(50代以上 女性)
感情をコントロールできない上司も部下にとっては大きなストレス源です。特に、イライラや不満を公然と表現する上司のもとでは、部下は常に気を使いながら仕事を進めなければならなくなり、精神的な負担を感じます。また、感情的な反応に敏感になることで、部下同士の関係にも悪影響を与えることが多く、職場全体の雰囲気が悪化します。
3位 仕事をしない
「仕事を部下に投げっぱなし」(20代 男性)
「チームをまとめる力がない。仕事が遅い。指示を出さない「(50代以上 女性)
部下が仕事に忙殺されている一方で、上司が何もしないという状況も見受けられました。このような上司は部下に対して負担を押し付け、支援や指導を欠如させるため、部下のストレスが増大します。仕事を投げ出している上司に対しては、不満が蓄積し、部下のやる気が削がれます。
2位 一貫性がない
「指示内容がコロコロ変わる。私の現上司はまさに朝令暮改で、朝に出した指示が午後に変わり、午前中の作業が無意味になってしまったこともありました」(40代 男性)
「言ってることに一貫性がない。指示内容がブレまくる」(50代以上 男性)
「指示内容がコロコロ変わる」という意見も多く、上司が一貫性を欠いた指示を出すことが部下を疲れさせる大きな要因となっています。一度指示した内容がすぐに変更されると、部下はその度に作業をやり直さなければならず、無駄な時間を費やすことになります。これは仕事に対するモチベーションの低下を招き、最終的には業務効率の低下にもつながってしまうでしょう。
1位 指示があいまい
「初めての業務内容なのに、大雑把な指示しかしてくれない。例えば『機械の使い方は、見ればわかるから』など」(20代 女性)
「指示があいまいで、事前の説明がきちんとされていない」(50代以上 男性)
上司からの指示が曖昧であると、部下は業務を進める際に困難を感じ、結果として誤った方向で仕事を進めてしまうことが多くなります。最初に与えられる指示が不明確だと、途中でやり直しを求められることが増え、無駄な労力や時間が発生するため、部下は疲れを感じてしまいます。